システム開発やIT業務の中でよく登場する「API」と「バッチ処理」。
どちらもシステム連携やデータ処理で使われますが、仕組み・役割・使いどころは大きく異なります。
本記事では、
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APIとバッチ処理の仕組み
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それぞれの特徴と違い
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実務での使い分けポイント
を 初心者にもわかりやすく解説します。
APIとは?(リアルタイム連携の仕組み)
API(Application Programming Interface)とは、
システム同士がリアルタイムでデータをやり取りする仕組みです。
APIの基本的な流れ
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クライアント(アプリ・ブラウザなど)がリクエストを送信
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サーバーが処理を実行
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結果を即時レスポンスとして返す
APIの特徴
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リアルタイム処理
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必要なときに即実行される
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Webサービスやアプリ連携で多用される
APIの代表的な利用例
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ログイン認証
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決済処理
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商品検索・在庫確認
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外部サービス連携(天気・地図など)
バッチ処理とは?(定期・一括処理の仕組み)
大量のデータをまとめて、決められたタイミングで処理する方式です。
バッチ処理の基本的な流れ
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指定時刻または条件で処理開始
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データをまとめて処理
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結果を保存・出力
バッチ処理の特徴
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リアルタイム性は低い
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大量データ処理に向いている
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夜間・定期実行が多い
バッチ処理の代表的な利用例
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売上集計
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請求データ作成
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データバックアップ
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基幹システムの一括更新
APIとバッチ処理の違いを比較
| 項目 | API | バッチ処理 |
|---|---|---|
| 処理タイミング | 即時(リアルタイム) | 定期・まとめて |
| データ量 | 少量〜中量 | 大量 |
| 利用目的 | 即時応答が必要 | 一括処理・集計 |
| 処理負荷 | 分散されやすい | 一時的に高負荷 |
| 主な用途 | Web・アプリ連携 | 業務システム・集計 |
APIとバッチ処理の使い分けポイント
APIが向いているケース
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ユーザー操作に即時反応が必要
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最新データをすぐに返したい
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外部サービスとの連携
例
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ログイン処理
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決済・注文処理
バッチ処理が向いているケース
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大量データをまとめて処理したい
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即時性より安定性・効率重視
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業務時間外に処理したい
例
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月次売上集計
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請求書作成
APIとバッチ処理は組み合わせて使うことも多い
実務では、APIとバッチ処理を併用する設計がよくあります。
よくある構成例
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日中:APIでリアルタイム登録
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夜間:バッチ処理で集計・反映
この構成により、
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ユーザー体験の向上
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システム負荷の分散
が可能になります。
まとめ:違いを理解して正しく使い分けよう
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API:リアルタイム処理向き
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バッチ処理:大量データの一括処理向き
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用途・処理量・即時性で選ぶのが重要
「APIの方が新しいから優れている」「バッチは古い」
ということはなく、目的に応じた使い分けが正解です。

