「駑馬十駕」を信念に IT系情報を中心に調べた事をコツコツ綴っています。

ソフトウェア開発では欠かせないバージョン管理システム(VCS)。
代表的なものに Subversion(SVN)Git がありますが、それぞれ仕組みや特徴に大きな違いがあります。
この記事では両者を比較し、どんな場面で使われるのかを整理していきます。


1. 管理方式の違い

  • SVN は中央サーバー型(集中管理型)。サーバーに履歴があり、各開発者は必要な部分をチェックアウトして作業します。

  • Git は分散型。各開発者の手元に完全な履歴がコピーされるので、オフラインでもコミットや履歴の参照が可能です。


2. ブランチの扱い

  • SVN:ブランチはディレクトリをコピーする仕組み。重いため頻繁に切り替える運用には向きません。

  • Git:ブランチはポインタのような軽量な仕組み。気軽に作成・切り替え・統合でき、アジャイル開発と相性が良いです。


3. 比較表

項目SVN(Subversion)Git
管理方式集中型(中央リポジトリ必須)分散型(ローカルに完全コピー)
履歴サーバーに依存・オフライン不可ローカルに全履歴あり・オフライン可能
ブランチディレクトリコピーで重い軽量で高速・並行開発に最適
操作速度サーバー通信が多く遅めローカル主体で非常に速い
権限管理ディレクトリ単位で詳細設定可リポジトリ単位(サービス連携で補完)
使われ方レガシー環境・金融/公共系で根強いオープンソース・モダン開発の標準
 

4. 企業で SVN が残る理由

  • レガシー資産が膨大:10年以上運用しているプロジェクトを変えるコストが大きい

  • 単純な運用ルール:常に「中央が正」でシンプル

  • アクセス制御が細かい:サーバーで一元管理しやすい

  • 情報漏洩リスクを嫌う:ローカルに履歴を残さないことで安心とされるケースもある


5. Git への移行メリット

  • 効率的な並行開発:ブランチが軽いので複数人開発でもストレスが少ない

  • オフライン作業可能:出張先やネットが不安定でも履歴参照やコミットができる

  • エコシステムが豊富:GitHub・GitLab・Bitbucket など連携サービスが充実

  • CI/CD と相性抜群:自動テスト・デプロイと組み合わせやすい


まとめ

  • SVN は「安定・単純・集中管理」が強みで、金融や公共系、レガシー環境で今も利用されています。

  • Git は「柔軟・高速・モダンツール連携」が強みで、オープンソースやアジャイル開発での標準です。

👉 新規プロジェクトであれば Git を選ぶのが一般的。
ただし既存の大規模システムでは「SVN を参照専用にして、新規は Git」で併用するケースもよくあります。

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