「駑馬十駕」を信念に IT系情報を中心に調べた事をコツコツ綴っています。

🔷 はじめに

JavaのStream APIは、コレクション操作を簡潔に記述できる便利な仕組みですが、
parallelStream()を使うことで マルチスレッド処理(並列処理) を手軽に実現できます。

この記事では、parallelStream()の基本的な使い方から、注意点・パフォーマンスの最適化方法までをわかりやすく解説します。


🔷 StreamとparallelStreamの違い

種類説明特徴
stream()通常の逐次処理1スレッドで順次実行される
parallelStream()並列処理ForkJoinPoolを使って複数スレッドで分割実行される

上記のparallelStream()では、スレッドごとに要素を分割して処理するため、
出力順が異なる(順不同になる)点に注意が必要です。


🔷 並列処理の仕組み(ForkJoinPool)

parallelStream()は内部的に ForkJoinPool(フォーク・ジョイン・プール)を使用します。
デフォルトでは、Runtime.getRuntime().availableProcessors() の値(CPUコア数)に応じてスレッド数が自動決定されます。

例えば、4コアCPUの場合は最大4スレッドで同時実行されます。


🔷 実行例:リストの重い処理を並列化する

以下の例では、重い計算を伴う処理を並列実行して速度を比較します。

結果例:

逐次処理時間:5000ms
並列処理時間:1500ms

CPUコア数にもよりますが、並列処理では約3倍の高速化が期待できます。


🔷 並列処理時の注意点

注意点内容
スレッド安全性共有リソースを操作すると競合が発生する可能性あり
出力順forEach()は順序が保証されない(順序を保つにはforEachOrdered()を使用)
外部API呼び出し同時実行でAPI制限に抵触する可能性があるため注意
numbers.parallelStream()
.forEachOrdered(System.out::println); // 並列でも順序維持

🔷 並列処理の最適化テクニック

  1. 処理が軽い場合は使わない

    • 並列化のオーバーヘッドが大きく、逆に遅くなる場合があります。

  2. データ量が多い処理に限定する

    • 数千件以上の要素を扱う場合に効果的。

  3. カスタムスレッド数を指定

    • これで並列スレッド数を8に固定できます。


🔷 parallelStream()を使うべきケース

CPUバウンド処理(計算中心)
データが多い場合
スレッド安全な処理のみを行う場合

I/Oバウンド処理(ファイル操作・DBアクセス)は非推奨です。
並列化よりも非同期I/O(CompletableFutureなど)を使うほうが効率的です。


🔷 まとめ

項目内容
メリット複雑なスレッド処理を書かずに並列化できる
デメリット順序保証がない・スレッド安全性に注意
向いている処理CPU負荷の高いループ・数値計算・マッピング処理
非推奨の処理I/O、同期が必要な共有データ操作

parallelStream()は数行で並列化を実現できる強力なツールですが、
適切な場面で使うことが重要です。
CPUをフル活用して処理時間を短縮したい場面で、ぜひ活用してみてください。

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