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Oracle「ORA-06502: PL/SQL 数値または値エラー」エラーが出た時の解決方法

Oracle データベースを利用していると、**「ORA-06502: PL/SQL: 数値または値エラー」**というエラーに遭遇することがあります。これは比較的よく見られるエラーの一つで、主に「データ型の不一致」や「文字列長の超過」が原因です。この記事では、このエラーの代表的な原因と解決方法を解説します。


ORA-06502 エラーの意味

エラーメッセージ全文は以下のようになります。

 
ORA-06502: PL/SQL: 数値または値エラー

このエラーは、PL/SQL 実行時に「値が期待されるデータ型に収まらない」場合に発生します。例えば以下のケースです。

  • 数値型の変数に、文字列を代入しようとした場合

  • VARCHAR2 の長さ制限を超える文字列を代入した場合

  • 型変換関数(TO_NUMBER, TO_DATE など)が失敗した場合


よくある原因と解決方法

1. 文字列長の超過

原因: 変数 VARCHAR2(5) に 6文字を代入している。

解決方法: 変数の長さを見直す、あるいは SUBSTR を利用して長さを調整する。


2. 数値変換エラー

原因: 数値に変換できない文字列を渡している。

解決方法: 入力値が数値かどうかを事前にチェックする。正規表現を利用するのも有効です。

 
IF REGEXP_LIKE('123', '^[0-9]+$') THEN v_num := TO_NUMBER('123'); END IF;

3. 不正な日付変換

原因: 存在しない日付を変換しようとした。
解決方法: 入力フォーマットをチェックし、妥当な値のみ渡す。


4. 数値桁数のオーバーフロー

原因: 定義した精度・スケールを超える値を代入している。

解決方法: NUMBER の定義を見直す、または値を丸める。


トラブルシューティングのポイント

  • エラー発生時の 変数定義 を確認する

  • DBMS_OUTPUT.PUT_LINE代入しようとしている値 を出力する

  • データベースの カラム定義と変数定義の不一致 を確認する

  • 外部入力(CSV など)を扱う場合は 入力データの妥当性チェック を行う


まとめ

「ORA-06502」エラーは、ほとんどの場合 データ型の不一致値の範囲超過 が原因です。
再発防止のためには以下が重要です。

  • 変数やカラムの定義を余裕を持たせて設計する

  • 入力値チェックを徹底する

  • デバッグ時に DBMS_OUTPUT を活用して値を追跡する

これらを意識することで、エラーを効率的に解消できるはずです。

PL/SQL:BULK COLLECTとFORALLを使った効率的な大量データ処理

Oracle PL/SQLを使って大量データを処理する際、1行ずつループして処理を行うとパフォーマンスが低下します。
このようなケースで活躍するのが BULK COLLECTFORALL です。

これらを活用することで、SQLとPL/SQL間のコンテキスト切り替えを最小限に抑え、大量データを効率的に処理できます。


BULK COLLECTとは?

BULK COLLECTは、複数行のデータを一括でコレクション(配列型変数)に格納する仕組みです。

基本構文

 
SELECT カラム名 BULK COLLECT INTO コレクション変数 FROM テーブル名 WHERE 条件;

使用例

✅ 通常のSELECT INTOでは1行しか取得できませんが、BULK COLLECTを使うと複数行をまとめて変数に格納できます。


FORALLとは?

FORALLは、コレクションに格納されたデータを使って一括処理(INSERT/UPDATE/DELETE)を行う構文です。

基本構文

 
FORALL インデックス IN コレクション.FIRST .. コレクション.LAST DML文;

使用例

FORループで1件ずつUPDATEするよりも大幅に高速化できます。

BULK COLLECTとFORALLを組み合わせる

実務では、BULK COLLECTで一括取得 → FORALLで一括更新/削除といった流れがよく使われます。

処理フロー例

  1. BULK COLLECTで対象データを配列に取得

  2. 配列の内容をFORALLで一括更新

  3. コミット

このように組み合わせることで、バッチ処理や大量データ更新におけるパフォーマンスを劇的に改善できます。


パフォーマンス比較

  • 従来のループ処理
    SQLとPL/SQL間で行き来が多くなり、数万件以上の処理では遅くなる

  • BULK COLLECT + FORALL
    コンテキストスイッチが最小化され、処理速度が数倍〜数十倍向上するケースもある


注意点

  • BULK COLLECTで一度に大量データを取得するとメモリ不足の可能性あり
    LIMIT句を組み合わせて分割取得が推奨

  • FORALLはDML専用(SELECTでは使えない)

  • 例外処理はSAVE EXCEPTIONSを付けて制御することも可能


まとめ

  • BULK COLLECT → 複数行を一括取得

  • FORALL → 複数行を一括処理

  • 大量データ処理では必須テクニック

  • メモリ管理や例外処理に注意しつつ使うと、バッチ処理の効率が大幅に改善


💡 実際のプロジェクトでは「数十万件以上のデータ更新」で特に効果が出やすいため、PL/SQLチューニングの定番として覚えておきましょう。

Oracle:DECODE関数とCASE式の違いを徹底解説

Oracle SQLを学んでいると、「DECODE関数」と「CASE式」の使い分けで迷う方は多いのではないでしょうか。
どちらも条件分岐を行うために利用できますが、機能や表現力には明確な違いがあります。

本記事では、DECODEとCASEの特徴、違い、実務での使い分けポイントをわかりやすく解説します。


1. DECODE関数とは?

DECODEOracle独自の関数 で、簡易的な条件分岐を行うために利用されます。
基本構文は次の通りです。

 
DECODE(式, 検索値1, 置換値1, 検索値2, 置換値2, ..., デフォルト値)
  • 指定した式の値と「検索値」が一致すれば、その「置換値」を返す

  • 一致しなければ最後のデフォルト値を返す(省略可能)

例:部署IDに応じて部署名を返す


2. CASE式とは?

CASESQL標準 でサポートされる条件分岐の構文です。
Oracleだけでなく、他のデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)でも使えます。

構文(シンプルCASE)

 
CASEWHEN1 THEN 結果1 WHEN2 THEN 結果2 ... ELSE 結果N END

構文(検索CASE)

 
CASE WHEN 条件式1 THEN 結果1 WHEN 条件式2 THEN 結果2 ... ELSE 結果N END

例:部署IDに応じて部署名を返す


3. DECODEとCASEの比較

項目DECODECASE
標準SQLOracle独自機能SQL標準でサポート
構文関数形式式形式
条件「等しい場合」のみ判定可能!ERROR! C4 -> Formula Error: Unexpected ,
可読性ネストが増えると読みにくい複雑な条件もわかりやすく記述可能
移植性Oracleに依存他DBでも利用可能
推奨度古いコードに多い現在はこちらが主流
 

4. 実務での使い分けポイント

  • 既存システムのSQLでDECODEが多用されている → 互換性を保つためそのまま使用するケースあり

  • 新規開発や複雑な条件分岐 → 可読性・移植性を考えて CASE式を推奨

  • DB移行を見据える場合 → CASE式を選択しておくと移植がスムーズ


まとめ

  • DECODE関数:Oracle独自。簡単な条件分岐向け。古いSQLでよく見かける。

  • CASE式:SQL標準。複雑な条件も書けて、移植性・可読性に優れる。

👉 今後の開発では CASE式を優先的に利用 するのがおすすめです。