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AWS S3は非常に安定したオブジェクトストレージですが、
「なぜかアップロードできない」「急にエラーが出る」といったトラブルは意外と多く発生します。

本記事では、AWS S3にアップロードできないときによくある原因と、その具体的な対処法を、
AWS初心者の方でも切り分けできるように体系的に解説します。

AWS S3にアップロードできない


よくあるエラー例

S3アップロード失敗時、以下のようなエラーが表示されることがあります。

  • AccessDenied

  • Forbidden

  • The bucket does not allow ACLs

  • InvalidAccessKeyId

  • SignatureDoesNotMatch

  • Unable to locate credentials

  • An error occurred (403) when calling the PutObject operation

エラーメッセージは原因特定の重要なヒントになります。


原因① IAMユーザー・ロールの権限不足

内容

最も多い原因が IAM権限不足 です。
S3へアップロードするには、最低限以下の権限が必要です。

  • s3:PutObject

  • s3:PutObjectAcl(ACLを指定する場合)

  • s3:GetBucketLocation(ツールによって必要)

確認ポイント

  • 使用しているIAMユーザー/IAMロールは正しいか

  • ポリシーに対象バケットARNが含まれているか

対処法(例:IAMポリシー)


原因② バケットポリシーで拒否されている

内容

IAMで許可されていても、バケットポリシー側でDenyされているとアップロードできません。

よくある例

  • 特定IPアドレス以外を拒否

  • HTTPS以外のアクセスを拒否

  • 特定IAMロール以外を拒否

確認ポイント

  • Effect: “Deny” の記述がないか

  • Condition 条件に該当していないか


原因③ S3のパブリックアクセスブロック設定

内容

S3では「パブリックアクセスブロック」が有効だと、
ACLやポリシーによる公開設定が拒否される場合があります。

確認ポイント

  • バケットの「アクセス許可」→「パブリックアクセスをすべてブロック」

  • アップロード時にACL(public-readなど)を指定していないか

対処法

  • ACLを指定せずアップロードする

  • 必要に応じてパブリックアクセスブロック設定を見直す


原因④ アップロード先リージョンの不一致

内容

CLIやSDKで リージョンを間違えている と、署名エラーが発生します。

代表的なエラー

  • SignatureDoesNotMatch

  • AuthorizationHeaderMalformed

対処法

  • バケットのリージョンを確認

  • AWS CLIの設定を修正

aws configure

または

aws s3 cp file.txt s3://example-bucket/ --region ap-northeast-1

原因⑤ 認証情報(Access Key)の問題

内容

以下の場合、認証エラーになります。

  • Access Key / Secret Key が間違っている

  • 無効化・削除されたキーを使用している

  • 環境変数が設定されていない

確認ポイント

  • aws configure list の結果

  • 環境変数 AWS_ACCESS_KEY_ID / AWS_SECRET_ACCESS_KEY


原因⑥ オブジェクト所有者設定(ACL無効)

内容

最近のS3では 「ACL無効(Bucket owner enforced)」 がデフォルトです。
この状態でACL付きアップロードを行うと失敗します。

対処法

  • --acl オプションを削除

  • アプリケーション側のACL指定を見直す


原因⑦ ファイルサイズ・ネットワーク問題

内容

大容量ファイルや不安定なネットワーク環境では失敗することがあります。

対処法

  • マルチパートアップロードを使用

  • タイムアウト設定を延長

  • ネットワーク経路(Proxy / FW)を確認


切り分けチェックリスト(簡易)

  1. エラーメッセージを確認

  2. IAMポリシーで s3:PutObject が許可されているか

  3. バケットポリシーに Deny がないか

  4. リージョンが一致しているか

  5. ACL指定をしていないか


まとめ

AWS S3にアップロードできない原因の多くは、
IAM権限・バケットポリシー・ACL・リージョン設定のいずれかです。

落ち着いて一つずつ確認すれば、ほとんどのケースは短時間で解決できます。

S3トラブルは「設定の組み合わせ」で発生することが多いため、
権限とアクセス経路をセットで確認するのがポイントです。

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