Excelファイルを開くのに時間がかかる、保存に数十秒かかる、メール添付できないほど容量が大きい——
こうした 「Excelが異常に重い」問題 は、業務現場で非常によく発生します。
本記事では、
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Excelファイルが重くなる主な原因
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すぐに試せる軽量化テクニック
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それでも改善しない場合の対処法
Excelファイルが重くなる主な原因
1. 使われていないセル範囲が無駄に広い
Excelは「一度でも使ったセル」を記憶します。
見た目は空白でも、実際には 数十万行・数百列が使用済み扱い になっているケースがあります。
よくある例
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誤って最下行(1048576行目)までコピーした
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全列に書式を設定してしまった
👉 これだけでファイルサイズが数十MB増えることもあります。
2. 書式設定が過剰に残っている
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背景色
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罫線
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条件付き書式
これらが不要な範囲まで設定されていると、Excel内部の情報量が増え、動作が重くなります。
特に 条件付き書式の多重設定 は要注意です。
3. 数式が大量に入っている
以下のような関数は、ファイルを重くしがちです。
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VLOOKUP -
XLOOKUP -
OFFSET -
INDIRECT -
配列数式
さらに、参照範囲が広すぎると再計算コストが跳ね上がります。
4. 画像・図形・オブジェクトが多い
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貼り付けた画像(未圧縮)
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非表示の図形
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削除したつもりのオブジェクト
これらが残っていると、見えないところで容量を圧迫します。
5. ピボットテーブルのキャッシュが溜まっている
ピボットテーブルは内部に データキャッシュ を持ちます。
複数作成・更新を繰り返すと、キャッシュが蓄積されファイルサイズが肥大化します。
すぐ試せるExcel軽量化テクニック
① 不要なセル範囲をリセットする
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実際に使っている最終行・最終列の 右下のセル を選択
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Ctrl + Shift + ↓ / →で不要範囲を選択 -
行・列ごと削除
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保存してExcelを再起動
👉 これだけで劇的に軽くなるケースが多いです。
② 書式を一括クリアする
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不要な範囲を選択
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「ホーム」→「クリア」→「書式のクリア」
※データは消えません
③ 数式を値に変換する
計算が不要なシートは、
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範囲コピー
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形式を選択して貼り付け → 値
これで再計算負荷を大幅に削減できます。
④ 条件付き書式を整理する
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「条件付き書式」→「ルールの管理」
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重複・不要なルールを削除
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適用範囲を最小限にする
⑤ 画像を圧縮する
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画像を選択
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「図の形式」→「画像の圧縮」
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解像度を下げる
資料用途なら十分な品質を保てます。
それでも重い場合の対処法
ファイルを新規作成して移行する
Excelは内部構造が壊れることがあります。
その場合は、
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新しいExcelファイルを作成
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シートを コピーではなく「値貼り付け」 で移行
これが最も確実な改善策です。
バイナリ形式(.xlsb)で保存する
.xlsx → .xlsb に変更するだけで
サイズ・読み込み速度ともに改善 するケースがあります。
まとめ
Excelファイルが重くなる原因は、見えないところに溜まった不要データ がほとんどです。
チェックポイント
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使っていないセル範囲
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過剰な書式・条件付き書式
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不要な数式・画像・ピボットキャッシュ
定期的に整理することで、
「開かない・固まる・送れない」Excelから解放されます。

