システムログや設定ファイルなどでは、key=value のようなパラメータ形式のデータがよく登場します。
これを Excel 上で扱いやすくするためには、「=(イコール)」を基準に文字列を分割して キー と 値 に分ける作業が欠かせません。
本記事では、Excel の バージョンごとに使える分割方法 をまとめて解説します。
Excel 365 / 2021 の最新関数から、Excel 2016 以前でも使える従来関数まで、実務でそのまま使える形で紹介します。
1. 分割したいデータ例
A列に以下のようなデータが入っているとします。
| A列(元データ) |
|---|
| user=admin |
| ip=192.168.1.5 |
| timeout=3000 |
これを B列(キー)、C列(値)に分割するのが今回の目的です。
2. Excel 365 / 2021:TEXTSPLIT 関数で一瞬で分割(最新環境)
📌 使えるバージョン
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Microsoft 365
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Excel 2021(スタンドアロン版)
最新 Excel なら TEXTSPLIT が最強です。
● B2セルに入力
これだけで
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=の左側 → B列 -
=の右側 → C列
に自動で展開されます。
● 特徴
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1つの式で横方向に展開される
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空白を自動で処理できる
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区切り文字が複数でもOK(
,や:など)
3. Excel 2016 / 2019:区切り位置(テキスト区切り)機能で手動分割
📌 使えるバージョン
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Excel 2019
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Excel 2016
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Excel 2013
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Excel 2010
データタブの 区切り位置 機能が使えます。
● 手順
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A列を選択
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[データ] タブ → 区切り位置 をクリック
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「区切り文字」で その他 を選択し、
=を入力 -
次へ → 完了
これで A列が自動的に B列・C列へ分割されます。
● 特徴
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関数不要
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大量データでも高速
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設定ファイル解析やログ整形に向く
4. Excel 2016以前:LEFT・RIGHT・FIND 関数で分割(TEXTSPLITなし版)
📌 使えるバージョン
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Excel 2016
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Excel 2013
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Excel 2010
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それ以前もOK
TEXTSPLIT が使えない環境でも、以下の関数で確実に分割できます。
● B2(= の左側)
● C2(= の右側)
● 特徴
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関数だけで完結
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「区切り位置」を使えないシナリオでも利用可能
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値の前後にスペースがある場合は TRIM を追加
例(スペース削除版):
5. Excel 全バージョン共通:Power Query(クエリ)で堅牢に分割
Power Query(取得と変換機能)は Excel 2016 以降標準搭載(2010/2013 はアドインで追加)。
手順(Excel 2016 以降)
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A列を選んで データ → テーブルまたは範囲から
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Power Query エディタが開く
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列を右クリック → 列の分割 → 区切り記号による分割
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区切り記号に
=を指定 -
閉じて読み込む
特徴
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大量データでも高速
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変換手順を再利用可能(更新が簡単)
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ログやCSVの定期処理に向く
6. バージョン別まとめ
| 方法 | 365 | 2021 | 2019 | 2016 | 2013 | 2010 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| TEXTSPLIT | ◎ | ◎ | × | × | × | × |
| 区切り位置 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| LEFT / RIGHT / FIND | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| Power Query | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △(要Add-in) | △(要Add-in) |
7. 実務でのおすすめパターン
● 最新 Excel(365 / 2021)
→ TEXTSPLIT 一択
一番速くて一番キレイ。
● 2016〜2019
→ 区切り位置 または Power Query
大量データなら Power Query が安定。
● 2010〜2013
→ LEFT / RIGHT / FIND
軽量で相性問題が少ない。
8. まとめ
Excel で「=」を基準にした文字列分割は、バージョンによって最適解が変わります。
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365/2021 → TEXTSPLIT(最強)
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2016/2019 → 区切り位置 or Power Query
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旧バージョン → LEFT/RIGHT/FIND
ログ解析・パラメータ抽出・設定ファイルの整形など、実務で必ず役立つテクニックです。
あなたの Excel バージョンに合わせて使い分けてみてください。
