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本記事では、Google TPU(Tensor Processing Unit)とは何か、GPUとの違い、性能差、そしてどのような用途に向くのかを、初めて触れる人にも分かりやすく解説します。
「結局どっち使えばいいの?」という疑問に答える実務目線の内容です。


目次

  1. Google TPUとは?

  2. GPUとの構造的な違い

  3. TPUとGPUの性能差(実例つき)

  4. 向いている用途・向いていない用途

  5. 実務での選び方(どっちを使うべき?)

  6. まとめ


1. Google TPUとは?

TPU(Tensor Processing Unit)とは、Google が「機械学習専用」に開発したプロセッサです。
特に TensorFlow・JAX といったフレームワークと相性が良く、
行列演算(Matrix Multiply)を専用ハードウェアで爆速処理できるという特徴があります。

✔ TPUの特徴(要点)

  • AI専用に設計された専用チップ

  • 巨大な行列処理ユニット(MXU:Matrix Multiply Unit)を搭載

  • Google Cloud 上で利用(ローカル利用不可)

  • 学習も推論も高速化できる

  • 電力効率が高い

Google 検索、翻訳、写真(画像認識)など Google サービス内部でも大量に使われています。


2. GPUとの構造的な違い

構造比較図(GPU vs TPU)

🔵 GPU(汎用型の並列演算プロセッサ)

元はゲーム・グラフィックス用に開発されたハードウェア。
数千〜1万個以上のコアで並列処理を実現し、汎用的な高速演算が得意です。

特徴:

  • グラフィック処理からAIまで幅広く対応

  • PyTorch / TensorFlow / Stable Diffusionなど何でも動く

  • ローカルPCでも利用可能

代表例:NVIDIA RTX / H100 / A100 など


🔴 TPU(AI特化型プロセッサ)

GPUのような汎用性はなく、AIの行列演算に全振りした構造。

特徴:

  • 超大型の行列演算ユニットで一括処理

  • TensorFlow・JAXに最適化

  • Google Cloud 専用

GPUと比較すると、
「グラフィックも数値もやる万能選手(GPU)」
「AIだけを極めた専門職(TPU)」
という違いです。


3. TPUとGPUの性能差(実例つき)

Google のベンチマーク例をもとにした、ざっくり比較がこちら👇

学習速度の違い(TensorFlow)

モデルGPU (NVIDIA A100)TPU v4
ResNet-50約6.5時間約2.2時間約3倍高速
BERT-Large約2.5時間約1.2時間約2倍高速

👉 行列計算が支配的なモデルほど、TPUが圧倒的に速い


スケール性能

TPU は「8個セット」や「Pod(数百台規模)」の構成が標準化されており、
追加ノードによるスケールが非常に素直で速いという特徴があります。

GPU でもスケールは可能ですが、

  • バラつく同期

  • ノード間通信オーバーヘッド
    などが発生するため、大規模学習ではTPUの効率が勝ちます。


電力効率

TPU の強みです。
Google は「同等性能で GPU の約1/2〜1/3 の電力」と公表しています。


4. TPUに向いている用途・向いていない用途

✔ TPUが向いているケース

  • TensorFlow / JAX を使うプロジェクト

  • BERT / GPT / Vision Transformer など大規模モデル

  • 数十台〜数百台規模での大規模分散学習

  • Google Cloud を利用した高速学習

✘ TPUが向かないケース

  • PyTorch がメイン(互換はあるが性能最適化はされてない)

  • Stable Diffusion / LoRA などの生成AI用途

  • ローカルで計算したい

  • グラフィックス用途(動画編集・ゲームなど)


5. 実務での選び方(どっちを使うべき?)

🔵 GPUを選ぶべきケース

  • PyTorch や生成AIを使う

  • ローカルPC(Windows / Linux)で処理したい

  • AI以外の用途も扱う(動画、解析など)

  • 柔軟性を重視

個人利用・汎用利用ならほぼGPU一択


🔴 TPUを選ぶべきケース

  • Google Cloud 上で TensorFlow を使った大規模学習

  • BERT/GPT クラスの高度なモデルを高速化したい

  • 学習コスト(電力・時間)を最適化したい

企業や研究機関での大量学習向け


6. まとめ

項目GPUTPU
用途汎用AI専用
使える場所ローカル+クラウドGoogle Cloudのみ
速度速いAIモデル学習はより速い
電力効率普通非常に優秀
対応フレームワークほぼ全部TensorFlow / JAX中心
個人向け
企業・研究向け◎(大規模学習時)

結論:

  • 個人・中小規模 → GPU

  • 大規模TensorFlowプロジェクト → TPU

あなたが扱っている生成AI・画像・動画系なら、基本GPUの方が適しています。

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