PowerShellは、Windows環境に標準搭載されている強力な自動化ツールです。
単なるコマンド実行にとどまらず、ログ収集・サービス監視・更新管理といった運用業務を自動化することで、日々の作業負荷を大幅に削減できます。
本記事では、実務でそのまま使えるPowerShell活用例を、具体的なスクリプト付きで解説します。
PowerShellでできること(運用視点)
PowerShellは以下のような運用業務と相性が非常に良いです。
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サーバやPCのログを自動で収集・整理
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Windowsサービスの稼働状況を監視
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Windows Updateの適用状況をチェック・制御
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定期実行(タスクスケジューラ)との連携
「手作業だと忘れがち」「台数が増えると限界」という課題を、PowerShellで解決できます。
活用例① ログ収集の自動化
イベントログを自動取得する
特定の期間のエラーログを抽出する例です。
ポイント
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障害発生時の一次調査を高速化
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CSV化することでExcel分析も可能
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定期実行すればログ収集漏れを防止
テキストログをまとめて収集
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1 2 3 4 |
Get-ChildItem "C:\\App\\logs\\*.log" | Where-Object { $_.LastWriteTime -ge (Get-Date).AddDays(-1) } | Copy-Item -Destination "C:\\CollectedLogs"<code class="whitespace-pre! language-powershell"> |
使いどころ
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アプリケーションログの夜間回収
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障害調査用の証跡保存
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運用報告用のログ提出
活用例② サービス監視の自動化
サービス停止を検知する
停止していたら自動で起動
メリット
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監視ツールがなくても最低限の自動復旧が可能
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小規模環境・検証環境で特に有効
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バッチ+PowerShell連携も容易
活用例③ 更新管理の自動化
Windows Updateの状態を確認
※ 事前に PSWindowsUpdate モジュールの導入が必要です。
更新プログラムを自動適用
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1 |
Install-WindowsUpdate -AcceptAll -AutoReboot |
運用上のポイント
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手動更新による作業ミスを防止
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更新漏れ・適用忘れの防止
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夜間バッチとの相性が非常に良い
定期実行と組み合わせると最強
PowerShellはタスクスケジューラと組み合わせることで真価を発揮します。
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毎日深夜にログ回収
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5分おきにサービス状態をチェック
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月1回のWindows Update自動適用
「人がやらなくていい作業」は、すべて自動化対象です。
PowerShell自動化を進める際の注意点
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管理者権限が必要な処理が多い
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実行ポリシー(ExecutionPolicy)の確認
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ログ出力を必ず残す
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いきなり本番適用しない(検証必須)
まとめ
PowerShellを活用すれば、
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ログ収集
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サービス監視
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更新管理
といった運用業務を、安全かつ確実に自動化できます。
「毎回同じ作業をしている」「作業漏れが怖い」と感じているなら、
まずは小さなPowerShellスクリプトから導入してみるのがおすすめです。



