PC を起動したときに、突然画面に 「Start PXE over IPv4」 と表示され、
Windows が一切立ち上がらなくなるトラブルがあります。。

普段は見ない英語のメッセージが出るため故障を疑いがちですが、
実は 起動ドライブ(SSD)が正常に認識されていないとき によく発生する現象です。
本記事では、原因の切り分け方法 と 具体的な解決策 を
初心者でも分かりやすく解説します。
🆘 PXE (IPv4) とは?なぜ急に出るのか
PXE (Preboot eXecution Environment) とは、
OS が入ったストレージが見つからないときに、
「ネットワーク経由で起動できないか?」
を試す仕組みです。
普段使われることはほとんどなく、
次のような場合に勝手に表示されます:
これは PC が SSD を見つけられず、起動できないため
仕方なく「ネットワークブート」を試している状態です。
つまり、PXEメッセージが出たら ストレージ周りの異常 を疑うのが正解です。
🔍 よくある原因一覧(ほぼこのどれか)
① SSD が物理的に認識されていない(接触不良)
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振動や熱で NVMe SSD がわずかに浮いた
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M.2 のネジが緩んだ
-
ホコリや酸化による接触不良
→ 最も多い原因
② SSD が一時的にハングし、BIOS が認識できていない
NVMe SSD は通電中のエラーで
再起動しても復旧せず、完全電源断で復帰する
ことがある。
→ 電源ケーブルを抜いて放電すると直るケース多数。
③ 起動順序(Boot Priority)が変わっている
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BIOSの初期化
-
CMOS電池の弱り
SSDより PXE Boot(ネットワーク)が上位に来てしまうと発生。
④ SSD の故障(突然死)
頻度は高くないが、以下が出ると危険:
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BIOSにSSD型番が表示されない
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Windowsが時々固まる
-
読み込みエラーが増えている
⑤ Windows ブートローダー破損
SSDは認識されていても、
ブート領域が壊れて起動できず PXE に落ちる。
🛠 緊急時にまず試すべき解決策(最優先)
1. 電源を完全に切る(これだけで直ること多数)
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シャットダウン
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電源ケーブルを抜く
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電源ボタンを数秒押して放電
-
再度電源投入
→ NVMe SSD の「認識落ち」はこれで復旧することが多い。
🛠 それでもダメなら:BIOS を確認する
2. BIOS に入り、SSDが認識されているか確認
起動時に DEL / F2 を連打して BIOS へ。
確認ポイント:
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ストレージ一覧に SSDの型番が出ているか?
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Boot Priority に Windows Boot Manager があるか?
✔ SSDが見えない場合
→ 物理的な接触不良か、SSD本体の異常。
✔ SSDは見えるが PXE が上位
→ 起動順を修正すれば復旧。
🛠 3. M.2 SSD の差し直し(効果大)
デスクトップPCの場合:
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電源を切り、ケーブルを全て外す
-
ケースを開けて M.2 SSD のネジを外す
-
一度SSDを抜き、もう一度しっかり奥まで挿す
-
ネジをしっかり固定
➤ これで症状が完全に消えるケースが非常に多い
NVMe SSD は熱で微妙に動くことがあり、
わずかな“浮き”が認識トラブルを引き起こします。
🛠 4. SSD の健康状態をチェック(CrystalDiskInfoなど)
CrystalDiskInfo で以下を確認:
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健康状態:正常(青)であるか?
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Media/Data エラー:0 か?
-
温度:常用が 50℃ を超えていないか?
※SSDが正常なら、今回のトラブルは
接触か電源系の一時的エラー の可能性が高い。
🛠 5. Windowsブートの修復
SSDは認識しているのに起動しない場合:
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Windows 回復メディアで起動
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「スタートアップ修復」を実行
-
コマンドプロンプトでブート領域修復
ブートローダー破損の場合はこれで復旧する。
🛡 再発を防ぐためにやっておくべきこと
✔ M.2 SSD のネジを締め直す
緩むと今回のような認識落ちが起きる。
✔ マザーボード BIOS の更新
NVMe 認識の改善が入っていることが多い。
✔ SSDの温度管理
ヒートシンク必須。
熱暴走でも認識落ちする。
✔ 電源ユニットの品質チェック
急に落ちる場合、電源供給が不安定な可能性も。
📝 まとめ
「Start PXE over IPv4」メッセージが出る原因は、
ほぼ “SSD(特にNVMe)が認識されていないこと” にある。
最も多い原因は:
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接触不良
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一時的な電気的トラブル
-
起動順序のズレ
SSDが正常であれば、差し直しやBIOS設定で解決するケースが大半なので落ち着いて確認しましょう。
