Windows 11やWindows 10では、標準で Windows Defender（Microsoft Defender Antivirus） が有効になっています。
では、ESETなどのサードパーティ製ウイルス対策ソフトをインストールするとどうなるのか？

「手動で無効化する必要があるの？」「二重起動して重くならない？」
こうした疑問を、仕組みレベルで分かりやすく解説します。

結論：ESETを入れるとWindows Defenderは自動で無効化される

結論から言うと、

ESETをインストールすると、Windows Defenderのリアルタイム保護は自動的に無効化されます。

ユーザーが設定画面で操作する必要はありません。
これは Windowsの公式なセキュリティ設計 に基づいた挙動です。

※上記のように「これらの設定は、ベンダー アプリケーション ESET Internet Security で管理されています」と表示される場合、
Windows Defender ファイアウォールは無効化されているのではなく、管理権限がESETに移っている状態です。
二重起動や競合を防ぐためのWindowsの標準仕様であり、異常ではありません。

なぜ自動で無効化されるのか？（仕組みの解説）

① Windowsセキュリティセンターによる一元管理

Windowsには「Windows セキュリティセンター（WSC）」という仕組みがあります。

• インストールされている ウイルス対策ソフトを常に監視
• 有効な製品が1つだけ「メイン」として登録される
• 新しいウイルス対策ソフトが登録されると、既存のものを自動停止

ESETはこの仕組みに正式対応しているため、
インストール完了時点で自動的に“メインのウイルス対策”として登録されます。

② 二重リアルタイム保護を防ぐため

もしWindows DefenderとESETが同時にリアルタイム保護を行うと、

• ファイルアクセス時に 二重スキャン
• 処理競合による 動作遅延・フリーズ
• 最悪の場合、誤検知やOS不安定化

といった問題が起こります。

そのためWindowsは、

• サードパーティ製AVが有効
  → Defenderのリアルタイム保護を停止
• サードパーティ製AVが無効・削除
  → Defenderが自動復帰

という設計になっています。

Windows Defenderは完全に消えるの？

いいえ、完全に削除・停止されるわけではありません。

無効化されるのは主に以下のみ

• リアルタイム保護
• 常駐ウイルススキャン機能

残る機能の例

• Windows セキュリティの管理画面
• ファイアウォール（※ESET側で管理する場合もあり）
• 定期的な状態監視

つまり、裏で眠っている状態になっているだけです。

ESETをアンインストールしたらどうなる？

ESETを削除すると、

Windows Defenderは自動的に再び有効化されます。

特別な操作は不要で、再起動後または一定時間後に
Defenderのリアルタイム保護が復活します。

手動でWindows Defenderを無効化する必要はある？

不要です。

ESETを含む主要なウイルス対策ソフトは、
Windowsの仕組みを使って 正しく自動制御 されます。

むしろ、

• レジストリ編集
• グループポリシーで強制無効化

などは トラブルの原因 になるため推奨されません。

「定期スキャン」だけ有効になるケースについて

一部環境では、

• ESET：リアルタイム保護
• Windows Defender：定期スキャンのみ

という 共存モード になることがあります。

これはWindowsの「限定的な定期スキャン」機能で、
競合しない範囲で補助的に動作する仕様です。

異常ではないので、心配不要です。

まとめ

• ESETをインストールすると
  → Windows Defenderは自動で無効化
• 手動操作は一切不要
• 二重起動や競合を防ぐための Windows標準仕様
• ESET削除後はDefenderが自動復帰

よくある疑問（補足）

• Q. Defenderが「無効」と表示されていて大丈夫？
  → 問題ありません。ESETが正常に保護しています。

• Q. どちらか性能が落ちる？
  → いいえ。1つだけ有効になる前提で最適化されています。