Excelで大量のデータを扱っていると「氏名を姓と名に分けたい」「住所から都道府県だけ抽出したい」といった場面がよくあります。
そんなときに便利なのが 文字列を分割する方法 です。
Excelには以下の2つの方法があります。
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区切り位置 機能で一括分割
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関数 で動的に分割
さらに Excel 365以降なら TEXTSPLIT
関数 を使うことで一気に処理できます。本記事では、それぞれの使い方をわかりやすく解説します。
1. 区切り位置を使って文字列を分割する方法
「区切り位置」は、セル内の文字列を スペース・カンマ・タブ などの区切り文字で分割し、複数列に展開する機能です。
手順
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分割したいセル範囲を選択
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[データ] タブ → [区切り位置] をクリック
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「区切り文字あり」を選んで [次へ]
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区切り文字(スペース、カンマなど)を指定
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[完了] を押すと自動で分割
例
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「山田 太郎」 → 「山田」「太郎」に分割
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「東京都,新宿区,西新宿」 → 「東京都」「新宿区」「西新宿」に分割
✅ メリット
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ワンクリックで大量のセルを一気に処理可能
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初心者でも簡単
⚠️ デメリット
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元データが更新されても自動反映されない
2. 関数を使って文字列を分割する方法
データが更新されても動的に処理したい場合は 関数 を利用します。
代表的な関数
LEFT / RIGHT / MID 関数
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=LEFT(文字列, 文字数)
→ 先頭から指定文字数を抽出 -
=RIGHT(文字列, 文字数)
→ 末尾から指定文字数を抽出 -
=MID(文字列, 開始位置, 文字数)
→ 任意の位置から文字を抽出
FIND / SEARCH 関数
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=FIND(" ",A2)
→ セルA2のスペース位置を検索 -
SEARCH
は大文字小文字を区別せず検索可能
3. TEXTSPLIT関数(Excel 365以降)
Excel 365以降では TEXTSPLIT を使えば一発です。
構文
例
→ 「山田」「太郎」に分割
住所の例
→ 「東京都」「新宿区」「西新宿」に分割
✅ シンプルで応用も簡単!
4. 古いExcelでTEXTSPLITを代替する方法
Excel 2016 / 2019 など TEXTSPLIT未対応のバージョンでは、LEFT
/ MID
/ RIGHT
/ FIND
/ LEN
の組み合わせで対応できます。
氏名の分割(A2セルが「山田 太郎」の場合)
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姓(山田)
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名(太郎)
住所の分割(E2セルが「東京都 新宿区 西新宿」の場合)
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都道府県
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市区町村
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町域
⚠️ 注意:スペースが「全角」で入力されている場合は、事前に
で半角に置換してから使うと安定します。
5. 区切り位置と関数の使い分け
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一度だけ分割する場合 → 区切り位置が便利
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更新されるデータを扱う場合 → 関数を使うのがベスト
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Excel 365以降のユーザー → TEXTSPLITで最速処理
まとめ
Excelで文字列を分割する方法は大きく分けて以下の3つ:
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区切り位置(手早く一括分割)
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TEXTSPLIT関数(Excel 365以降)(最もシンプル)
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LEFT / MID / RIGHT 関数の組み合わせ(古いバージョン対応)
環境や目的に合わせて最適な方法を選べば、日常業務がさらに効率化できます。