何だか「一般社員の残業代がゼロになる?」というとんでもない内容がニュースに出ていたので、非常に気になったので調べてみました。
事の発端
との事。
政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は、労働時間にかかわらず賃金が一定になる働き方を一般社員に広げることを検討する。民間議員の長谷川閑史(やすちか)・経済同友会代表幹事らがまとめ、22日夕に開かれる経済財政諮問会議との合同会議に提言する方向で調整している。6月に改訂する安倍政権の成長戦略に盛り込むことを検討する。
<朝日新聞DIGITALより>
現状は?
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まず、現状ではどういう制限となっているのかというと、
- 部長級などの上級管理職や研究者などの一部専門職に限り、企業が労働時間にかかわらず賃金を一定にして残業代を払わないことが認められています。
提言後は?
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確定ではありませんが、今回の政府提言を反映されると現状の上級管理職や研究者以外にも以下の条件に該当する場合、残業代ゼロが適用されることになります。
- 年収が1千万円以上など高収入の社員 ※前提:社員本人の同意が必要
- 高収入でなくても労働組合との合意で認められた社員 ※前提:社員本人の同意が必要
上記を踏まえた上での考察
まず、提言された内容が反映された場合でも、最終的に本人が同意しなければ年収の低い一般社員にまで残業ゼロが適用されることはないとの事です。ですが根本的に年収の低い一般社員というのは会社内では弱い立場にあるので、会社の方針ということで進められると本音は嫌でもYESと返答せざるえない場合が多くなってしまうのではないかという点です。中小企業などでは労働組合が形骸化しているところも多いでしょうから会社の方針とされると従わざるえなくなるので「労働組合との合意」はほとんどセーフティネットにはならないと思われます。そうなると年収の低い一般社員でも企業側は成果が出ない限りいくらでも強制的にサービス残業させることが出来るようになってしまうので、労働者側に対するメリットが何もない悪法が出来上がってしまう事になりかねません。完全に企業側の利益のみ追求している提言としか思えませんが・・・。EUでは長時間労働後は強制的に11時間空ける必要があるという制限があるようですが、それすらない今の日本の労働環境でこんな提言をすんなり通されたらますます労働者にとっては過酷な労働を強いられる恐れが高いのではと懸念ばかりが浮かんでしまいます。これを取り入れる労働者側のメリットって一体・・・。