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クリックフィックス(ClickFix)詐欺とは?仕組み・被害事例・対策まとめ

近年、新たなサイバー攻撃手法として「クリックフィックス(ClickFix)詐欺」が急増しています。これは、偽の画面やエラーメッセージを利用してユーザーに操作を促し、自らマルウェアを実行させてしまう巧妙な手口です。本記事では、その仕組みや被害事例、そして有効な対策を分かりやすく解説します。

 

 


ClickFix詐欺の概要

  • ソーシャルエンジニアリング攻撃の一種

  • 2024年頃から国内外で報告が増加

  • 個人ユーザーだけでなく企業や組織も標的

攻撃者は「Cloudflareの認証画面」「CAPTCHAチェック」「システム修復の案内」など、普段目にする正規の画面を装ってユーザーをだまします。


仕組みと手口

  1. 偽画面に誘導
    メール、SNS、検索結果、広告などを通じて不正サイトにアクセスさせる。

  2. 操作を指示
    「Windows+Rでコマンド入力」「Ctrl+Vで貼り付けてEnter」など、ユーザーに手動で操作を行わせる。

  3. マルウェア実行
    実際には攻撃者の用意したスクリプトがクリップボードにコピーされており、それを実行してしまう。

  4. 被害発生
    情報窃取型マルウェア(インフォスティーラー)に感染し、パスワードやクレジットカード情報が流出。


被害事例

  • セキュリティ機関による国内インシデントが複数確認

  • Windows環境を狙ったものが多いが、macOSやLinuxにも類似手法が出現

  • 感染後は金融被害や情報漏洩につながるリスクが高い


なぜ騙されやすいのか

  • 普段目にする認証画面を模倣 → 違和感が少ない

  • 簡単な操作指示 → 「従うだけ」と思わせる心理トリック

  • ユーザー自身の操作による実行 → セキュリティソフトの検知をすり抜けやすい


対策方法

  1. 不審な画面を疑う習慣
    URLや文言に違和感がないか確認する。

  2. コマンド入力を求める操作は要注意
    正規のCAPTCHAやエラー修復で「Windows+R」や「Ctrl+V」を要求することは通常ない。

  3. セキュリティソフト・EDRを導入
    常に最新の状態に保ち、不審な挙動を監視。

  4. OS・ブラウザを最新に更新
    脆弱性を悪用されにくくする。

  5. 教育と周知(組織向け)
    社員に詐欺手口を共有し、相談ルートを整備する。


まとめ

クリックフィックス(ClickFix)詐欺は、ユーザー自身の操作を悪用する非常に巧妙な攻撃手法です。普段よく見る認証画面を装うため騙されやすく、個人・企業ともに警戒が必要です。少しでも違和感を覚えたら、その操作を中断し、信頼できるセキュリティ部門や専門家に確認することが大切です。