最近は仕事などの業務上のエラー情報をChatGPTに入力してエラーの原因を調べる人が増えてきました。
しかし「ChatGPTに機密情報を入れても大丈夫なのかな?」という疑問を持つ人は少なくありません。
この記事では、ChatGPTのデータの扱われ方、入力してはいけない情報、安全に使うためのポイントをできるだけ平易にまとめます。
結論:個人情報や機密情報は原則入力してはいけない
結論から言うと、個人・企業・システムを特定できる情報は、ChatGPTを含む外部AIに直接入力すべきではありません。
理由はシンプルで、会話データは一定期間保存され、アクセス可能な状態になるためです。
技術的には高度なセキュリティ対策が施されていますが、ゼロリスクとは言えません。
ChatGPTは会話内容をどう扱っているか
OpenAIが公開している基本仕様を整理すると、以下のようになります。
1. 履歴がオンの場合はデータが保存される
チャット履歴をオンにしていると、会話内容は一定期間サーバー側に保存されます。
保存された内容は、モデル改善のための分析対象になることがあります。
2. 履歴オフにすると学習には使われない
「会話履歴とトレーニング」をオフにすると、会話内容は学習用途に使われません。
ただし、セキュリティ・不正利用対策の目的で短期間は保持されます。
3. 管理者が技術的にアクセス可能な構造
クラウドサーバで運用されているため、システム管理者権限を持つ担当者がアクセス可能な環境ではあります。
厳重な管理体制が取られているものの、完全に外部から隔離された環境ではありません。
入力すると危険な情報の具体例
次のような情報は入力してはいけません。
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氏名、住所、メールアドレス、電話番号などの個人情報
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会社名、部署名、プロジェクト名
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サーバ名、内部IP(例:10.123.45.67)、ホスト名
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SQLの設定値や認証関連パラメータ
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エラーログ内の機密情報
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顧客データ、契約情報
特にIPやホスト名は内部構成が推測されるため、情報漏洩としては大きなリスクになります。
入力しても問題のない情報
以下は比較的安全です。
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匿名化したログ
例:10.123.45.67 を xxx.xxx.xxx.xxx に置換 -
公開情報(既にネットにある内容)
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自分のブログ記事や一般的な技術情報
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テスト用のダミーデータ
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架空のプロジェクト名に置き換えた相談文
要点は、「特定される情報が含まれていない状態」に加工してから入力することです。
ChatGPTを安全に業務利用するための3つのポイント
1. 会話履歴をオフにする
設定で履歴を無効にしておくことで、学習データとして扱われることを防げます。
2. 匿名化してから入力する
IP、サーバ名、部署名、顧客名などは事前に必ず加工する。
例:
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10.123.45.67 → xxx.xxx.xxx.xxx
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○○プロジェクト → Aプロジェクト
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A社 → ある企業
3. 会社のルールに従う
多くの企業はAI利用ガイドラインを定めています。
業務情報を扱う場合は必ず目を通しておく必要があります。
ChatGPTのセキュリティは高いが、入力側の意識が最重要
ChatGPT自体のセキュリティは強固で、通信の暗号化やアクセス制御も厳格に運用されています。
しかし、どれだけ仕組みが強固でも、利用者が機密情報をそのまま投入してしまえば意味がありません。
最も重要なのは利用者側の判断であり、ログや設定を貼るときは必ず匿名化することが基本です。
まとめ
入力してはいけない情報
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個人情報
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企業名や内部情報
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内部システムの構成がわかる情報
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認証情報
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顧客データ
入力しても問題ない情報
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匿名化済みのログ
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公開されている情報
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ブログ記事や一般的な技術説明
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ダミーデータ
安全に使うための基本
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履歴をオフにする
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特定情報は事前に置換する
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会社のガイドラインを守る
この三つを守れば、日常的な業務相談や技術調査にChatGPTを安心して利用できます。
