MySQLを運用していると、ある日突然アプリケーション側から「Too many connections」というエラーが返され、データベースに接続できなくなることがあります。これは利用者にとってはサイトやサービスが「停止状態」と同じであり、早急な対応が必要です。本記事では、このエラーの原因と具体的な対処方法を整理します。
「Too many connections」エラーとは?
MySQLには同時に接続できるクライアント数を制御する仕組みがあります。max_connections
というパラメータで上限値が決められており、この数を超える新規接続要求があった場合に 「Too many connections」 エラーが発生します。
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初期値:151(バージョンによって異なる)
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上限:OSやハードウェアのリソースに依存
つまり、データベースが過負荷状態になったサインと捉えることができます。
主な原因
1. 接続数の急増
一時的にアクセスが集中し、アプリケーションからの同時接続数が急増することで上限を超えてしまいます。
2. 接続のクローズ漏れ
アプリケーション側で 接続プールの管理不備 や close処理の抜け があると、不要な接続が残り続けます。
3. 長時間実行されるクエリ
重いSQLが大量に実行されると、処理待ちの接続が積み重なり、結果的に接続枠を圧迫します。
4. 不適切な設定
wait_timeout
や interactive_timeout
の値が長すぎると、アイドル状態の接続が切断されずに残ってしまうことがあります。
対処法
1. 一時的な応急処置
まずはサービス復旧を優先します。
MySQLに管理者で接続できる場合、現在の接続状況を確認します。
どうしても管理者で接続できない場合は、MySQLサービスの再起動が必要になる場合もあります。
(※ただし根本解決にはならず、緊急回避策に過ぎません。)
2. 根本的な解決策
(1) max_connections を増やす
一時的なアクセス増に備えるために上限値を上げます。
(2) 接続プールの導入・見直し
アプリケーションで コネクションプーリング を利用し、使い終わった接続は必ず解放するようにします。
JavaならHikariCP、PHPならPDOやmysqliの接続プールを利用するのが一般的です。
(3) クエリのチューニング
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インデックスを適切に設定する
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不要なJOINやサブクエリを減らす
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キャッシュを導入する
これにより接続が長時間占有されることを防ぎます。
(4) timeout の調整
不要な接続が残り続けないように、wait_timeout
の値を短めに設定します。
再発防止のために
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アクセスのピーク時を想定して性能テストを行う
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アプリケーション側で接続管理を徹底する
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監視ツール(例:Zabbix, Prometheus, CloudWatchなど)で接続数を常時モニタリングする
これらを実施することで「Too many connections」エラーを未然に防ぐことができます。
まとめ
「Too many connections」エラーは単なる設定値不足ではなく、接続管理やクエリ設計の問題 が隠れていることが多いです。
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一時的には接続数の上限を増やす
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長期的にはアプリケーション側の接続管理やSQLチューニングを見直す
これらをバランスよく行うことで、安定したMySQL運用が可能になります。