オンライン会議が日常化した今、議事録作成の負担を感じている方は多いのではないでしょうか。
特に Teams や Zoom の会議では、聞き漏れを防ぎつつ正確に内容を残すのは大変です。
そんな課題を解決できるのが Whisper。
OpenAIが公開している音声認識AIで、会議を録音しておけば高精度に自動文字起こしを行い、議事録作成の手間を大幅に削減できます。
Whisperとは?
WhisperはOpenAIが開発した オープンソースの音声認識モデル です。
-
多言語対応:日本語を含む100以上の言語
-
高精度:雑音や訛りのある会話でも認識可能
-
無料利用可:MITライセンスで公開されており、誰でも利用可能
-
活用範囲広い:会議録音、字幕生成、翻訳まで対応
GitHubで公開されており、自分のPCやサーバーにインストールして利用できます。
Whisperを導入するメリット
1. 議事録作成を自動化
録音データをWhisperにかけるだけで自動的にテキスト化。
会議後に一から議事録を書く必要がなくなります。
2. 無料で使える
クラウドの有料サービスと異なり、自前環境で動かすなら完全無料。
長時間の会議もコストを気にせず文字起こしできます。
3. 高精度な日本語認識
専門用語や会話のニュアンスも正確に変換。ビジネス用途でも実用的です。
4. セキュリティも安心
自分のPCや社内サーバーで処理するため、外部サービスに会議データをアップロードする必要がありません。
Whisperのライセンスと利用形態
Whisperは MITライセンス で提供されています。
-
個人利用:無料
-
企業利用:無料
-
商用サービスへの組み込みも可能
※注意点として、処理速度は環境に依存します。GPUを使うと高速化できます。
Whisperのインストール手順
1. 必要環境
-
Python 3.8以上
-
pip(Pythonパッケージ管理ツール)
-
ffmpeg(音声・動画ファイル変換用ツール)
ffmpegインストール例
-
macOS
1brew install ffmpeg -
Ubuntu/Debian
12sudo apt updatesudo apt install ffmpeg -
Windows
公式サイト からzipをDLしてPATHに設定
2. Whisperのインストール
1 |
pip install -U openai-whisper |
3. 基本的な使い方
会議録音ファイル(例:meeting.mp3
)を文字起こしする場合:
1 |
whisper meeting.mp3 --model small |
-
--model
で精度を選択(tiny, base, small, medium, large) -
出力結果は同じフォルダに保存されます
-
.txt
(議事録テキスト) -
.srt
(字幕ファイル) -
.vtt
(Web字幕ファイル)
-
4. Pythonでの利用例
5. モデルサイズの選び方(目安)
モデル | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
tiny | 超高速・低精度 | テスト用 |
base | 軽量・標準精度 | 短時間会議 |
small | 精度と速度のバランス良 | 日本語会議向け |
medium | 高精度・やや重い | ビジネス用途 |
large | 最高精度・重い | 長時間会議・高精度重視 |
活用例
ケース1:社内定例会議
Teamsの定例会議を録音し、Whisperで自動文字起こし。
→ 会議終了直後に議事録のドラフトを全員で共有可能。
ケース2:クライアント打ち合わせ
Zoomでの商談内容をWhisperで記録。
→ 提案内容の確認や認識のずれ防止に役立つ。
ケース3:セミナーや研修
講演を録音し、Whisperで全文テキスト化。
→ 後日レポートや資料作成に再利用できる。
まとめ
Whisperを使えば、TeamsやZoomの会議議事録をAIに任せることが可能です。
-
無料で使える(オープンソース)
-
高精度で多言語対応
-
セキュリティ面も安心
これまで手間のかかっていた議事録作成を大幅に効率化し、会議の生産性を高められるでしょう。