基本的に、受託開発をメインとするIT企業は、仕事がある時は技術者に居てもらいたいけれど、仕事がなくなったら技術者もいなくなって欲しいというのが本音でしょう。
ですから、なるべく契約社員・派遣・請負といった形で、短期的手に人材を確保したがります。
地方の中小IT業界でも、そのスタンスは変わりませんが、なぜか頻繁に正社員を募集している会社の取締役と話をする機会がありました。
曰く「ビルゲイツみたいに優秀な技術者が来たら、すぐ正社員にするよ。募集を出しておかないと来てくれないからね」とのこと。
ちょっと優秀な程度では採用しないよ、ということでした。
そして、採用しなかった技術者の情報は「イザという時の契約社員候補」としてストックされることになります。
知り合いのIT企業が「その人を短期で使いたい」と言ってくれれば、仲介してマージンをとることができるからです。
履歴書を事前に提出した技術者が、一次面接の席で「実はB社であなたのような人材が必要だそうです。よろしければ紹介しましょうか」と、右から左へ流されていった例も。もちろん紹介した会社は、毎月その技術者の給与の上前をハネているというのが現実です。