「IT業界の裏話」カテゴリーアーカイブ

コンピュータはいうことを聞いてくれない

ソフトウェア開発での一番困ることはコンピュータはいうことを聞いてくれないということです。
いや正しくプログラミングすれば正常に動作してくれますが、ある端末では動くけれどこちらの端末では動かないとか、サードパーティのソフトを使ってるとバージョン違いで動作しないとか、顧客のパソコンでは、変なソフトが入っていたため正常に動かなかったとか、予想もつかないことで障害やスケジュール遅れが発生することがしばしばあります。
一方でそのような予想がつかないことはソフトウェア開発ではしばしば無視されるためスケジュールされていない時間、つまり時間外対応をしなければならないのです。
また、自責のミスでも時間を予想以上に食われてしまうことがあります。
例えばプログラミングにはコンパイルという作業がありますが、しばしばエラーとなります。また、プログラムのバグもあります。
入力した文字が間違っていたとか、スペースが半角分多かったなどということで全く動いてくれません。
これは自責とされますが、このようにコンピュータは人間のようにあいまいには判断してくれないので何時間も苦しむことも頻繁にあるので、本当に大変な業界です。

システム開発の複雑さを伝えるのは大変

ソフトウェア開発に従事していますが、顧客にシステム開発の煩雑さを伝えるのはとても難しいことです。

ある時、システムの画面のレイアウトを変更してほしいという依頼がありました。
「入力欄の文字数を10文字ほど3か所に対して増やしてほしい」というものです。
顧客の意見としては、「それくらいすぐできるだろうから無償でやってくれないか」というものでした。
しかし、勿論それはなかなか難しい考えです。
入力文字を10文字増やすだけでも、そのプログラムコードを見てみないと修正は容易ではないからです。
その画面のプラグラムの行数は2万行近くある複雑なもので、単純に文字を入力するだけではなく、他の画面との関係やデータの整合性もあったので
私は5万円ほどの見積もりを出しました。
この提示に顧客は納得してくれませんでした。私は2万行あるところから該当箇所を探すだけでも数時間かかるし、他との整合性に気を付けないと
不具合が出るためテストもきちんとしたら少なくとも1日はかかると言いましたが全く納得してくれませんでした。
仕方がないので、その場は無償で対応し、別案件で大目に見積もりを出し回収しておきました。

職場結婚率が高いIT業界

主人がソフト会社に勤めています。
そして私も数年前まで同じ会社で働いていました。
二人揃ってIT業界に関わっているということになりますね。
周りを見回して思うことはとにかく職場結婚率が高いなということでしょうか。
学生時代に知り合った彼や彼女と結婚した人を除くと、
社内恋愛から結婚へというカップルがとても多いように思います。
バブル景気の頃に大量に入社した世代だからということもあると思いますが、
同期をみても圧倒的に職場で知り合って結婚へというパターンが多いです。
最近は残業の規制が厳しいのでそのようなことはないのでしょうが、以前は納期が迫る、またシステムに不具合があるような場合は長時間の残業と休日出勤が当たり前でしたので・・・。
必然的に職場の人間と一緒にいる時間はそれはもう長いものになります。また事務職で月単位に〆があるような職種と違って、基本的に先の予定はあまり読めません。なにかあれば即対応ということになるので、約束をしても変更また変更となってしまうこともありがちなので、そうしたことが理解できる職場の異性との交際は続くのだと思います。
新しい業界なので勤務のシフトも、社内の雰囲気も自由な会社がほとんどですし、堅苦しい感じもなく、職場の上下関係も厳しいものではありません。
それぞれ作業を分担して仕事を仕上げていく感じなので、社員同士もうちの会社は割りに仲が良いほうだと思います。

派遣社員さんへの感想

ソフトウェア開発をしています。
ソフトウェア開発は人材の流動性がとても高いところです。
派遣会社や協力会社の方々と一緒に仕事をすることもしばしばあります。
派遣会社というと昨今では待遇が悪く、こき使われているというイメージがありますが、
私の会社ではそうとばかりは限りません。
もちろん、難しいプログラムの開発をお願いしたり、無理を言って残業をしてもらうこともあり、正社員の側へ対する不満も少なくないと思い
ます。
しかし、一方で派遣社員の方々が管理に回ることはまずないので、基本的にはプログラミングやテストをするのみです。
何が言いたいかというと、私の勤めている会社では、派遣社員の方に比べて、社内の雑用や、各種の打合せ、顧客からの問い合わせ、障害対応などをスケジュール外の対応をしなければならず、純粋に決められた作業のみをこなす派遣社員の方々が羨ましいと思うこともあります。
私の会社では横柄に派遣社員の方に接するということはまずない雰囲気であるので、たまに派遣社員でもよいなあと感じてしまうこともあるくらいです。
まあ派遣社員ですと期間が終わったらいつ切られてもおかしくないので職場は不安定になるので良い所だけを見ても微妙ではありますが・・・。

IT業界はB型が多いというのは、本当かウソか

IT業界には「B型が多い」というのは、IT業界のあるあるネタの一つですが、正式に統計をとったという話は聞いたことがありません。
ただの都市伝説なのかもしれませんが、個人的にはこのネタは「あるあるー」です。
以前の職場は自社でパッケージソフトを開発・販売していましたが、開発陣営の6割がB型でした。血液型の分布から考えると、偏っていますよね。
今の職場は受託開発がメインのIT業ですが、一番多いのはB型です。A型不在です。
いずれも、統計といえるようなサンプル数では無いので、そんな事例を後ろ盾にしても説得力は無いかもしれませんが…。
誤解の無いように書いておきますが、血液型の性格判断は全然信じていません。業種の向き不向きも関係ないと思います。
血液型の占いに至っては、占うという行為がよくわからないので、信じる云々という話でもないのです。
ただ、IT関連の特集記事やフォーラムなどでも「うちの職場もB型が多い」という意見を見る機会もあるので、事実として偏りがあるかもしれない。
こうなったら是非一度、全国IT従事者血液型調査を行なって、真偽のほどを明らかにしてもらいたいです。

幽霊社員が数十名

二次請け・三次請けが当たり前なIT業界。
一次請けの企業と聞くと、それなりに大きな会社を想像するかもしれませんが、SEもPGもいない小さな会社が一次請けになることも珍しくありません。
コネさえあれば美味しい仕事を引っ張ることができる業界なので、IT企業としての実体がなくても受注できてしまうのです。

下請けの末端で、実労働をすることになったSEやPGは、一次請けの会社で名刺を作ってもらって、ユーザーと対面するのはよくあることです。
ある会社は、社長1名+事務員1名という超ミニマムな人員ですが、歴代のシステム開発案件に関わったSE・PGは全て社員ということになっていますので、総勢20名近い幽霊社員がいる計算になります。
会社への電話は、約3分の1が幽霊社員宛だそうですが、古い幽霊社員の名前をウッカリ忘れてしまっていると「そんな社員はいませ・・・あ、います」と、妙な応対になってしまいます。
もちろん本人と連絡をとることはできないため、外出中で・・・とか、長期出張で・・・とか誤魔化し続けているそうです。
退職したことにすれば良いのでは?と言ってみたのですが、会社のイメージが悪くなるから嫌なのだそうです。
さすがに無理がありますよね。

🧩 ドサクサ出世したリーダーの功罪 — 組織に“当たり障り”は必要か?

いつの間にか、誰もが「え?」と思う人がリーダーに昇格している。
特にITやサービス業では、「ドサクサ出世」が珍しくありません。

たとえば、

  • 技術知識ゼロなのに管理職に

  • 現場の声を知らないのに会議だけ強い

  • 「前からいるから」「波風立てないから」という理由で昇進

…そんな構図、あなたの周りにもありませんか?

この“当たり障りない人”が出世する組織構造は、短期的には平穏を保てるものの、
長期的にはチームの士気と成長力を削ぐ重大なリスクをはらんでいます。


■ 「ドサクサ出世」とは何か

“ドサクサ出世”とは、
本来の評価基準が曖昧なまま、
タイミングや人間関係、部署再編などの流れに乗って出世してしまう現象のことです。

よくあるパターン

パターン典型的な理由結果
長く在籍している「そろそろリーダーにしてもいいか」年功序列化
衝突を避けるタイプ「あの人は誰とも揉めない」静かだが停滞する組織
上層部に好かれている「上には気に入られてる」下からの信頼が薄い
他に候補がいない「とりあえずこの人で」一時しのぎの昇進

■ 当たり障りのないリーダーがもたらす“副作用”

当たり障りのないリーダーは、表面上は組織を平穏に保ちます。
しかし、その裏で次のような「静かな崩壊」が進んでいきます。

1. 誰も本音を言わなくなる

リーダーが意見を出さないため、部下も発言を控える。
会議は穏やかでも、何も決まらない・進まない

2. 判断が曖昧になり責任が消える

曖昧なまま案件が進み、トラブル時には「誰が決めたのか不明」状態。
最終的に責任が個人ではなく空気に吸収される。

3. 若手が育たない

リーダー自身が技術・知識に乏しいため、教育ができない。
「自分で考えろ」と丸投げが増え、離職率が上がる

4. 現場と経営の乖離が拡大

「現場感覚」を持たないまま、上層部への報告だけがうまい。
結果として、現実を反映しない意思決定が繰り返される。


■ なぜ“当たり障り”が求められるのか

組織が“当たり障り”を好む背景には、次のような心理があります。

  • トラブルを起こさない人=安心感がある

  • 波風を立てない人=「管理しやすい」

  • 意見が強い人=扱いづらい

しかし、これは短期的な安定を買って長期的な停滞を招く危険な構造です。
組織に必要なのは「衝突」ではなく「健全な議論」。
意見の多様性を恐れる組織は、やがて外の変化に適応できなくなります。


■ ドサクサ出世の功罪

見方メリットデメリット
短期的視点組織が荒れにくい/調整がスムーズ新しい挑戦が止まる
人間関係的衝突が少なく、雰囲気が穏やか無関心・惰性が蔓延
管理者側コントロールしやすい自立したチームが育たない
長期的視点経営が安定して見える組織が老化する

■ 真に必要なのは「当たり障り“のない”人」ではなく「当たり前を問う人」

「当たり障りがない」=「誰にも嫌われない」ではありません。
本当に価値あるリーダーは、

  • 必要なときに意見を言える

  • 部下の信頼を失わずに方針を変えられる

  • 改善点を“攻撃”ではなく“提案”として出せる

つまり、当たり前を問い直す勇気を持つ人です。


■ 組織が取るべき3つの対策

① 昇進基準を明文化する

  • 技術・判断・育成の3軸で評価

  • 「在籍年数」だけでの昇進を廃止

  • 評価理由をチームに公開する

② リーダー研修を“義務”にする

  • コミュニケーション、心理的安全性、会議設計など

  • 技術・マネジメント両面から教育

③ 役職よりも“役割”を評価する

  • チーム内でのリード行動を評価軸に

  • 「役職者=リーダー」ではなく「行動者=リーダー」へ


■ 結論:本物のリーダーとは

リーダーとは、「目立たない人」でも「空気を読む人」でもなく、
チームを前に進めるために必要な判断を下せる人。

“当たり障り”のなさで出世したリーダーは、
一時的に平穏をもたらしますが、組織を育てることはできません。

今こそ、**「穏やかさ」より「誠実な主張」**を評価する時代です。
その勇気こそが、20年先も生き残る組織をつくります。

仕事をしないでマージンをもらいたい人がウゴメク業界

IT業界で働く人は、通称「IT土方」とも呼ばれます。
なぜそんな呼び方をされるのか?と尋ねると、人によっては「実際の作業で肉体を酷使するのと同じくらい、ITは脳を酷使するから」と答えてくれます。
まあ、それも通説の一つではありますが、本来は「土木作業員と同じように、IT業界も下請け→孫請け→曾孫請け→・・・というピラミッド型の産業構造になっていて、お金は中間で搾取されまくる。末端の作業員には、雀の涙」というのが真実。
自分が知ってる限り、小規模のIT企業はこのピラミッドの中間(最下層ではないところ)に噛んで、マージンだけ頂こうとする会社の多いこと多いこと……。

今年の頭には、某IT企業が受注した消費税絡みのシステムで開発が滞ってるらしく(というか、できもしないのに受注したらしい)、人員募集の話が出回っていました。
最初にその話が回ってきたのは1月。A社経由で「人員、出せない?」という打診に、こちらも増税対応中なので無理ですとお断り。
その後、2月も後半になってから、B社経由で同じ話が回ってきました。人員が確保できなくて、まだ募集中とのこと。
しかもB社経由で聞いた賃金は、A社よりも2割安でした!

確実に納期は迫ってきてるんだから、賃金を高くしてでも人材確保するべきじゃないのか?と思うのですが、ヨソのシステムが間に合おうが間に合うまいが、そんなことは関係ないんですね。とにかく、いっちょ噛んで小銭を稼ぎたい企業ばかり。
こんな中で、自社の幹部が妙に義侠心にあふれる人だと「うちから人を出します」なんて言うんでしょうなぁ。部下は気の毒に・・・
多少ガメつくても、火中の栗を部下に拾わせない幹部のいる会社でよかったー。

使える人、使えない人

IT業界の中でも特にコンピューターのソフトウェア関係の仕事について、使える人、使えない人は当然のことながらいます。
基本的にプログラマーとして有能な人はとにかくコンピューターが好きで、好奇心旺盛であればたいてい使える人が多いと思います。
このような人はほっといても自分自身で勉強し知識を深め、結果的に仕事に対して結果を残します。
学歴はあまり関係なく、専門学校卒でも大学卒でも出来る人は出来るしそうでない人もいます。
逆に意外と注意が必要なのが資格をたくさん持っている人です。
情報処理関連の資格はたくさんありますが、資格を持っているからと言って実務に使えるかどうかはまた別の問題で、資格を取ることに熱中しすぎて仕事を疎かにしている場合もあるからです。
このような人は理論的な事は言いますが頭でっかちで使えない情報が多いけど実際に仕事を任せるとなかなか進まないケースが良くあります。
もちろん仕事が出来てその上に資格があれば言うことなしではあります。

プログラムの裏モードについて

私は長らくIT業界においてプログラマーとして働いています。
FA(ファクトリーオートメーション)やゲーム機、事務機など色々な製品を手掛けてきました。
プログラマーにとって最も怖いモノと言えば、製品出荷後にお客様から不具合の報告があることで、いわゆるバグというやつです。
作ったプログラムの難易度や複雑さによってバグが出るかどうかは異なって来ますが、もしもの場合に備えてバグが出た時に何が原因でそうなったのかを解決しやすくするための方法を仕組んでおくのが普通です。
例えばプログラムがどういう順序で動作したのか内部的に記録をとる方法(一般的にログと言います。)とか、プログラムに矛盾が生じたときにランプがいつもと違うパターンで光るようにしたりとやり方は様々です。
もちろん表向きの仕様とは異なるため裏モードなどと呼ばれています。
中にはこの裏モードのプログラムの方が表向きのプログラムより大量な場合もあり得ます。
私もこの裏モードで何回か助かったことがあります。