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SQL:重複データを安全に削除する方法(DELETE+ROW_NUMBER)

データベースを長く運用していると、アプリのバグやテストデータの混入、複数サーバ間複製のトラブルなどが原因で、重複データが発生することがあります。
しかし、安易に DELETE を実行すると必要なデータまで消えてしまう危険があります。

そこで本記事では、ROW_NUMBER() を使って重複行を安全に削除する方法をわかりやすく解説します。


🎯 本記事のゴール

  • 重複データを判定する方法が理解できる

  • 削除対象を事前に確認できる

  • ROW_NUMBER()DELETE の実践手順がわかる


重複データとは?

以下のように、ユニークであるべき項目(メールアドレス、社員番号、商品コードなど)が複数存在する状態です。

idemailname
1aaa@test.com
Tanaka
2aaa@test.com
Tanaka
3bbb@test.com
Suzuki

この場合、aaa@test.com が重複行となります。


手順①:重複データの行番号を振る

まずは削除対象となる行を特定します。
ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY ...) で同じキーを持つ行に番号を付与します。

実行結果例

idemailrn
1aaa@test.com
1
2aaa@test.com
2
3bbb@test.com
1

rn = 1 を残して rn > 1 を削除対象とします。


手順②:削除対象のみを事前確認

※ 実務では必ずこのチェックを推奨


手順③:重複行を削除

🔒 サブクエリが必要な理由

一部DBでは DELETE ... FROM 内で ROW_NUMBER() を直接参照できないため
サブクエリ(派生テーブル)を挟む必要があります。


💡 Delete 実行前の注意点

注意点内容
バックアップ取得DELETE後は戻せない
トランザクション内で実行BEGIN / ROLLBACK の利用
WHERE句のチェックWHERE間違いは致命傷
ORDER BYの基準を決める新しいデータを残す/古いデータを残すなど

例:最新データを残したい場合


DBごとの対応表

DB使用可否
PostgreSQL
SQL Server
Oracle
MySQL 8.0 以降
MySQL 5.x× → サブクエリ+JOINで対応
MariaDB

※ MySQL 5系の場合は別途記事で解説予定


まとめ

結論内容
ROW_NUMBER()は重複削除に最適削除対象を明確化できる
いきなりDELETEしないSELECTで必ず事前確認
ORDER基準を明確にする残すデータのルール決め

安全に確実に重複を削除するには
「削除対象の可視化」→「確認」→「DELETE」
という流れがとても重要です。

【Oracle】ORA-03113:通信チャネルEOFエラーの原因と解決手順をわかりやすく解説

■ ORA-03113とは?

ORA-03113: end-of-file on communication channel は、
Oracle クライアントとサーバ間の通信が異常終了したとき に表示される代表的なエラーです。

平たく言うと、

「通信中にいきなり回線が切れた / Oracle が応答しなくなった」
という状態。

接続断・セッション強制終了など、原因は幅広いため、
切り分けのポイントが非常に重要なエラーとなります。


■ ORA-03113 が発生する主な原因


1. Oracle インスタンスがクラッシュ / 強制停止した

もっとも多い原因です。

  • インスタンスが落ちた

  • PMON による強制終了

  • ORA-600 / ORA-7445 など内部エラーと連動

  • OS側のメモリ不足・カーネル不具合

▼確認ポイント

  • alert.log に異常が出ていないか

  • ORA-600 / ORA-7445 が直前に出ていないか

  • インスタンスが restart されていないか


2. ネットワークの不安定化・切断

クライアントと DB サーバの間のネットワークが瞬断すると発生。

  • VPN が切れた

  • ファイアウォールのタイムアウト

  • 回線の瞬断/通信遅延

  • パケットロス

▼確認ポイント

  • サーバとの ping 値・遅延

  • FW・LB のセッションタイムアウト

  • SSH が同時に切れないか

  • スイッチ再起動などのネットワークイベント有無


3. タイムアウト設定(SQLNET.ORA / Firewall)の影響

長時間 SQL を実行するバッチで頻発する原因。

  • SQLNET.EXPIRE_TIME の影響

  • Firewall / Router のアイドルタイムアウト

  • Application Server のコネクションプール強制切断

▼対策例

(10分に1回 keepalive を送る設定)


4. クライアントアプリ側の異常終了

  • Java / Python / C++ などクライアントが強制終了

  • JDBC / ODP.NET の古いドライバ

  • 途中でプロセスが kill される

▼確認ポイント

  • クライアントログにエラーがないか

  • ドライババージョン

  • JVM の GC が暴走していないか


5. SQL の実行中にサーバリソースが枯渇

大きなバッチ処理中に発生するケース。

  • PGA/UGA 枯渇

  • CPU / メモリ枯渇

  • TEMP 使用量が100%

  • I/O 遅延

▼確認ポイント

  • AWR / Statspack の負荷

  • v$session_wait の値

  • TEMP の使用量


■ ORA-03113 が出たときの切り分け手順(最速版)

迷ったら まずは Oracle サーバ側のログを先に確認 が鉄則!


【1】alert.log を確認

最初に必ず見る場所。

例:

何かしら痕跡が残っていることが多い。


【2】trace ファイル(*.trc)を確認する

内部エラーの場合はこちらに詳細。

  • スタックトレース

  • 直前の SQL

  • ユーザセッション情報


【3】ネットワーク切断の有無を確認

  • FW のログ

  • ping のロス率

  • VPN 稼働状況

  • SSID や Wi-Fi の不安定性も対象


【4】同時刻に OS イベントが発生していないか

  • メモリ OOM

  • ディスクフル

  • OS 再起動

  • Kernel Panic


【5】クライアント側のログ確認(アプリ含む)

  • JVM ログ

  • アプリログ

  • ODP.NET / JDBC のエラー


■ よくあるパターン別の対策


● ケース1:長時間SQLで毎回切断される

これは Firewall / LB タイムアウトが犯人 の場合が多い。

▼対処

  • DBA:SQLNET.EXPIRE_TIME を設定

  • ネットワーク:タイムアウト延長

  • アプリ:コネクションプールの keepalive 有効化


● ケース2:大量データ処理バッチで発生

▼対処

  • TEMP 表領域増設

  • PGA を増やす

  • インデックス追加など SQL チューニング


● ケース3:インスタンスが落ちた

▼対処

  • alert.log の内部エラーを修正

  • パッチ適用

  • メモリ/OS リソースの見直し

  • Oracle Support に SR 起票


■ まとめ(結論)

ORA-03113「通信が突然切れた」ことを示す汎用エラー で、
原因は広いですが、必ず次のどれかに分類できます。

  1. Oracle インスタンスの異常

  2. ネットワークの遮断

  3. タイムアウト設定の問題

  4. クライアントの異常終了

  5. サーバリソース不足

迷ったら alert.log → ネットワーク → クライアント の順に切り分ければ最短で原因にたどり着けます。

ORA-12541の原因と対処法|「TNS: リスナーがありません。」エラーを最速で解決する方法

Oracle接続時に突然出る ORA-12541: TNS: リスナーがありません。
現場でも頻出するエラーの1つで、接続テストが通らない・アプリがDBに繋がらないなどのトラブルを引き起こします。

この記事では、最速で復旧するためのチェック手順 → 原因の深掘り → 正しい対処法をわかりやすくまとめます。


結論:ほとんどは「リスナーが動いていない or 設定が不一致」

ORA-12541 は、Oracle に接続する際の窓口である Listener(リスナー) が見つからない時に発生します。

主な原因は以下のどれかです。

  • リスナーサービスが停止している

  • listener.ora のホスト名/ポート構成が間違っている

  • tnsnames.ora のHOST/IPが一致していない

  • ファイアウォールで1521ポートが遮断

  • サーバIPの変更後に設定未修正(Windows/VM/クラウドで多い)

では最速で治すチェック順を紹介します。


1. 最速で直す!ORA-12541のチェック手順(5ステップ)


① リスナーサービスが停止していないか確認

Windows

サービス → OracleOraDB…TNSListener を確認
停止していたら「開始」を押す。


で状態が確認できます。

Linux

TNS-12541: TNS:no listener が返った場合はリスナーが死んでいます。


② リスナーを再起動する

Windows / Linux 共通

成功すればほとんどのケースはこれで復旧します。


③ listener.ora のHOST/IPが本当に正しいか確認

リスナーが動いていても、設定されているホスト名が正しくないとリスナーは動作しません。

例:ホスト名変更後に listener.ora を更新していないケース


実際は

myserver01 なのに一致していない → ORA-12541

IPアドレス変更後に放置している場合も同じです。


④ tnsnames.ora の接続先HOST/IPが一致しているか

クライアント側の設定が間違っていると当然繋がりません。

→ listener.ora 側と一致しているか要確認。


⑤ ポート(1521)がファイアウォールで塞がれていないか

  • Windows Firewall

  • Linux firewalld

  • クラウド(AWS SecurityGroup、Azure NSG など)

で 1521 が閉じていると ORA-12541 になります。


2. ORA-12541 が発生する代表的な原因まとめ


リスナーが起動していない(最も多い)

DBサーバの再起動後に自動で上がっていない、手動停止したなど。


listener.ora と tnsnames.ora の不整合

  • HOST名が一致していない

  • PORTが違う

  • サービス名(SERVICE_NAME)が間違い

設定変更後の再起動忘れもよくあります。


DNS・ホスト名解決の問題

ホスト名を指定しているが DNS で解決できないケース。
→ IPアドレス直書きで繋がれば DNS が原因。


VM・クラウドのIP変更

Oracle XE や開発環境で特に多い事例。
IPが変わったのに listener.ora を更新していないパターン。


3. 対処法まとめ(状況別)


🔧 ① リスナー停止が原因 → 再起動でOK



🔧 ② listener.ora の設定ミス → 修正 → リスナー再起動

ファイル場所

  • Windows: C:\oracle\product\...\network\admin\listener.ora

  • Linux: $ORACLE_HOME/network/admin/listener.ora


🔧 ③ tnsnames.oraが間違い → 修正

接続文字列を見直して、listener.ora と整合性を取る。


🔧 ④ ポート塞ぎ → FWで1521を許可

クラウド環境では SecurityGroup / NSG も要確認。


🔧 ⑤ DNS問題 → HOST をIPに変更する

接続先を一時的にIPにすると原因切り分けになる。


4. 再発防止のためのポイント

  • サーバ再起動後の リスナー自動起動設定を確認

  • listener.ora/tnsnames.ora の バックアップ運用

  • 接続情報を IP指定 に統一する(開発環境向け)

  • FW設定変更の履歴をチームで共有


5. まとめ

ORA-12541「TNS:リスナーがありません。」 は、
リスナーが動いていない or 設定不一致が原因の9割です。


✔ 最速で確認すべきは以下の5つ

  1. lsnrctl status

  2. リスナーサービスの起動確認

  3. listener.ora のHOST/IP

  4. tnsnames.ora の整合性

  5. ポート1521の開放

Oracle「ORA-02049: timeout: distributed transaction waiting for lock」エラーの原因と解決策まとめ

🧩 ORA-02049とは

ORA-02049: timeout: distributed transaction waiting for lock は、Oracleデータベースの分散トランザクション(Distributed Transaction)で、ロック待ち状態が一定時間続いた結果、タイムアウトが発生したことを示すエラーです。
通常のローカルトランザクションではなく、DBリンクを跨いだ処理を行っている際に発生する点が特徴です。


🔍 主な発生原因

このエラーの原因は大きく分けて以下の3つです。

① 他セッションがロックを保持している

別のトランザクションがまだコミットまたはロールバックされておらず、対象の行・表をロック中。
そのため、他ノードや他セッションからの更新がブロックされ、一定時間後にタイムアウトします。

② 分散トランザクション中のロック競合

UPDATE table@remote_db ... のように DBリンクを通じてリモートDBを更新 している場合、リモート側でロックが競合すると、ローカル側から見ると「ロック待ち」となり、このエラーが発生します。

③ タイムアウト値が短すぎる

システムパラメータ DISTRIBUTED_LOCK_TIMEOUT の値が短く設定されていると、ロック解放前にタイムアウトしてしまうことがあります。
デフォルトは 60秒 です。


⚙️ ロック状況の確認方法

発生原因を特定するには、まずどのセッションがロックを保持しているかを確認します。

ロックを保持しているセッションが特定できたら、以下のように解放することも可能です。

※運用環境では慎重に実施してください。未コミットデータが失われる可能性があります。


⏱️ タイムアウト設定の調整

ロックが頻繁に発生する分散環境では、待機時間を長めに設定することで回避できる場合があります。

この例では、待機時間を 300秒(5分) に延長しています。


💡 類似エラーとの違い

エラーコード内容特徴
ORA-00060デッドロックが検出された両者が互いに待機し合う状態
ORA-02049分散トランザクションのロック待ちタイムアウトリモートDBを跨ぐ処理で発生

ORA-02049デッドロックではなく、単純なロック待ちタイムアウト である点に注意してください。


✅ まとめ

項目内容
エラー番号ORA-02049
メッセージtimeout: distributed transaction waiting for lock
主な原因分散トランザクション中のロック待ち
対応策ロック保持セッションの確認・解放、タイムアウト値調整
推奨設定DISTRIBUTED_LOCK_TIMEOUT = 300(状況に応じて)

SQL:実行計画(EXPLAIN PLAN)の読み方とボトルネックの見つけ方

データベースチューニングにおいて「どのSQLが遅いのか」だけでなく、「どの処理がボトルネックなのか」を正しく把握することは非常に重要です。
そのための基本ツールが**実行計画(EXPLAIN PLAN)**です。

本記事では、Oracleを例に実行計画の見方とボトルネックの探し方を、初心者でも理解できるように解説します。


✅ EXPLAIN PLANとは?

SQLを実行する際、Oracleが内部的に考える**最適な実行手順(アクセス方法)**を表示する機能です。

実行計画を見ることで、次のようなことがわかります。

  • テーブルにアクセスする順番

  • インデックスを使っているかどうか

  • 結合(JOIN)の方式

  • フルスキャンが走っているか

  • コスト(予測負荷)


✅ 実行計画の取得方法

▼ 方法1:EXPLAIN PLAN文を使う

▼ 方法2:SQL Developer で「実行計画」ボタン

GUI環境ではワンクリックで参照できます。


✅ Oracle実行計画の基本構造

実行計画は階層構造で、上から順に処理が行われます。
インデントが深いほど「その処理の中で実行される詳細処理」です。

例:


✅ よく出るOperationと解釈ポイント

Operation説明見どころ
TABLE ACCESS FULLテーブルの全件スキャン大量データで出たら要注意
TABLE ACCESS BY INDEX ROWIDインデックス参照後にROWIDアクセス最適パターンの一つ
INDEX UNIQUE SCAN主キー・ユニークインデックス検索高速
INDEX RANGE SCAN範囲検索効率的だが条件次第
HASH JOINハッシュ表でJOIN大量データ向き、メモリ消費
NESTED LOOPS小規模データに適したJOIN結合相手の行数が多いと遅い
SORT ORDER BY並び替え必要ならOK、無駄がないか確認

✅ ボトルネックの探し方

① TABLE ACCESS FULL に注意

  • 条件にインデックスが効いていない可能性

  • 大規模テーブルで特に危険

対策:

  • WHERE句に使う列にインデックス追加

  • 不必要なSELECT *を避ける

  • ファンクションインデックス


② JOIN方式を確認

JOIN方式特徴適したケース
NESTED LOOPS小テーブル to 大テーブルに◎OLTP向き
HASH JOIN大量データ向き、高速DWH向き
MERGE JOIN並び替え前提、ソート負荷ソート後結合

Nested Loops × 大量データ → 遅い可能性


③ コスト(COST)とROWSを確認

項目意味
ROWS見積もられる行数
COSTOracleが見積もる負荷指数
BYTESデータ量

COSTが極端に高い行がボトルネック候補。


④ SORTが多い場合

ORDER BY や DISTINCTが多いと遅くなる

対策:

  • 必要な場面以外でDISTINCT使用しない

  • ORDER BYの列にインデックス


✅ 実例:遅いSQLの典型パターン

問題点

  • UPPER(ENAME) → 関数でインデックス無効

  • LIKE ‘%〇〇’ → 前方ワイルドカードでインデックス無効

  • SELECT * → 不要な列読み込み

改善例


✅ チューニングの基本手順まとめ

ステップ内容
1実行計画を見る
2TABLE FULL SCANをチェック
3JOIN方法確認(Nested Loops vs Hash Join)
4コスト高い箇所を特定
5インデックス/SQL修正

✅ まとめ

  • EXPLAIN PLANはSQLの動作設計図

  • インデックス利用とJOIN方式を重視

  • FULL SCANと高コスト行は警戒

  • 必要な列だけ取得し、関数利用に注意

SQLチューニングは**「まず実行計画を見る」**がスタートです。
慣れるほど読み解きが早くなり、効率的な分析ができるようになります。

Oracle「ORA-00942: 表またはビューが存在しません」エラー発生原因と解決策

Oracleデータベースを扱う中で、開発者や運用担当者が最も遭遇しやすいエラーのひとつが
「ORA-00942: 表またはビューが存在しません」 です。

本記事では、発生原因と具体的な解決策をわかりやすく解説します。


✅ ORA-00942とは?

ORA-00942: table or view does not exist
(表またはビューが存在しません)

SQLで参照したテーブルまたはビューが見つからないときに発生するエラーです。
主に DML(SELECT / INSERT / UPDATE / DELETE)実行時に発生します。


✅ 主な発生原因

原因説明
テーブル名・ビュー名の誤字タイプミス、大小文字の不一致
スキーマ名を指定していないschema.table が必要なのに table だけ記述
オブジェクトが存在しない作成前、削除済み、まだコミットされていない
権限不足SELECT権限などが付与されていない
PUBLIC SYNONYMが無い/壊れているシノニム経由アクセス失敗
参照先データベースリンクが不正DBリンク先にオブジェクトが存在しない

✅ 代表的な発生例と解決策

① テーブル名の誤字

対策
スペルを確認し、USER_TABLESALL_TABLES で存在確認。


② スキーマ指定漏れ

本当は他スキーマのテーブル:

対策
必要に応じてスキーマ名を付けて記述。


③ 権限不足

権限が無い場合、テーブルが存在していても参照できません。

✅ 権限付与例(管理者実行)


④ シノニム問題

シノニム経由で参照する場合:

対策

壊れていれば再作成。


⑤ コミット忘れ

セッションAで作成 → セッションBから参照、未コミットの場合

対策
テーブル作成後は COMMIT;


✅ 原因の切り分け手順(チェックリスト)

チェック項目コマンド / 方法
テーブルが存在するかSELECT table_name FROM user_tables;
他スキーマかSELECT owner, table_name FROM all_tables;
権限があるかSELECT * FROM user_tab_privs;
シノニム確認SELECT * FROM all_synonyms;
大文字小文字SQL識別子は大文字扱い、""付きは注意

✅ よくある落とし穴

  • "テーブル名"(ダブルクォーテーション付き)で作成 → 大文字小文字が区別される

  • パーティションテーブルの参照ミス

  • DB移行後の権限不足

  • テスト環境と本番環境のスキーマ構成違い


✅ まとめ

要点内容
エラー原因オブジェクトなし・スキーマ指定漏れ・権限不足
解決方法テーブル存在確認、権限確認、スキーマ明記
コツuser_tables / all_tables で確認

Oracleはスキーマ管理と権限管理が厳密なため、
「テーブルが本当に存在するか」「アクセス権があるか」 が重要です。


✅ 例:実務での対応テンプレ

■ 発生時に実施する確認

  • SQLを確認(スペル・スキーマ)

  • ALL_TABLESで存在確認

  • 権限を確認

  • 必要に応じて GRANT 実施

この手順を覚えておけば、ほぼ解決できます。


💬 最後に

Oracleの権限周りは慣れるまで少し難しいですが、
このエラーは落ち着いて確認すれば必ず解決できます。

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インデックスの仕組みを理解してSQLを劇的に高速化する方法

SQLの処理が遅いと感じたとき、多くの人が「サーバが遅いのでは?」と思いがちです。
しかし、実際の原因の多くは「インデックス(索引)」の使い方にあります。
この記事では、インデックスの基本構造から、実際のチューニング手法までを体系的に解説します。


1. インデックスとは?

インデックスとは、データベースが**検索を高速化するために作成する“索引”**のことです。
書籍の巻末索引のように、「この値はどこにあるか」を素早く見つけるための目次のような仕組みです。

🔹 例:インデックスなしの検索

このとき、インデックスが無ければ、データベースは全件を1件ずつ確認します(フルスキャン)。

🔹 例:インデックスありの検索

これにより、該当レコードを索引経由で一瞬で特定できるようになります。


2. インデックスの仕組みを理解する

🧩 B-treeインデックス

ほとんどのRDBMS(Oracle、MySQL、PostgreSQLなど)で採用されている構造です。
値が昇順に整理され、2分探索のように効率的に検索できます。

例えば「70」を探すとき、50より大きいので右に進み、次に70を発見します。
わずか2ステップで到達できるため、フルスキャンに比べて圧倒的に速いのです。


🧩 ビットマップインデックス(Oracleなど)

主に**値の種類が少ないカラム(性別、ステータスなど)**に有効です。
各値に対応するレコードのビットマップを管理することで、AND/OR検索が高速化します。


3. どんなカラムにインデックスを貼るべきか?

✅ 有効なケース

  • WHERE句で頻繁に検索される列

  • JOIN条件に使われる列

  • ORDER BYGROUP BYの対象列

  • 外部キー(FOREIGN KEY)列

🚫 不向きなケース

  • データ件数が極端に少ない列(例:性別など)

  • 更新頻度が高い列(INSERT/UPDATEが多いと再構築コストが増大)

  • テーブル全件を常に取得するクエリ


4. 実行計画で確認する

SQLの速度改善は、**「インデックスが使われているか」**を確認することが第一歩です。

結果例(MySQLの場合)

typekeyrowsExtra
refidx_users_email1Using index

「Using index」と表示されていれば、インデックスが利用されています。
逆に「ALL」となっている場合はフルスキャンです。


5. インデックスを使った高速化テクニック

🌟 複合インデックス(複数列)

複数の列を組み合わせた検索で効果を発揮します。
ただし、先頭の列が条件に含まれないと使われない点に注意が必要です。

例:


🌟 カバリングインデックス(Covering Index)

インデックスに必要な列すべてを含めることで、テーブルアクセスをスキップできます。

テーブルを参照せずにインデックスだけで完結するため、極めて高速です。


🌟 LIKE検索の最適化

前方一致(Yui%)はインデックスが有効ですが、

のような部分一致はインデックス無効です。
対策としては、**全文検索エンジン(MySQLのFULLTEXT、PostgreSQLのGIN/GiST)**を使う方法があります。


6. 注意点:インデックスの弊害

インデックスは便利ですが、万能ではありません。
特に以下の点には注意が必要です。

リスク説明
更新コスト増大INSERTやUPDATE時にインデックスも更新されるため、処理が重くなる
ストレージ消費大規模テーブルに多くのインデックスを張ると、容量が急増
メンテナンス負荷不要なインデックスを放置すると、統計情報がずれて性能が劣化

🧹 定期的に ANALYZE TABLEREBUILD INDEX を実施して、統計情報を更新しましょう。


7. 実践チューニング例

✏️ 例1:検索が遅いクエリ

🩹 改善策

✅ 実行計画の変化

  • 変更前:type = ALL(フルスキャン)

  • 変更後:type = ref(インデックス参照)

実行時間が数秒 → 数ミリ秒まで短縮されることもあります。


まとめ

ポイント内容
インデックスとはデータ検索を高速化するための“索引”
構造B-treeが主流。ビットマップは限定用途
効果的な付与検索条件、JOIN、GROUP BY、ORDER BY列
落とし穴更新負荷、容量増加、部分一致非対応
確認方法EXPLAINで実行計画を必ずチェック

🚀 結論

インデックスを理解すれば、SQLの速度は10倍以上高速化することも珍しくありません。
なんとなく作るのではなく、「どう検索されるか」を意識して設計することが重要です。

SQL:MERGE文でINSERTとUPDATEを一度に行う効率的な方法

MERGE文とは?

SQLのMERGE文は、対象テーブルにデータが存在する場合はUPDATE、存在しない場合はINSERTを1回の処理でまとめて行える便利な構文です。
従来は「UPDATE → 該当しなければINSERT」といった2回の処理が必要でしたが、MERGEを使うことで1回のSQLで済むため、処理効率やパフォーマンスが向上します。

本記事ではOracleをベースに解説しつつ、他DBでの対応についても補足します。


MERGE文の基本構文(Oracleの場合)



実用例①:顧客マスタの更新 or 追加

ID=C001 が存在すれば更新
✅ 存在しなければ新規追加


処理の流れ(フロー図で理解)


応用例②:条件によってDELETEも行う(Oracle/SQL Server対応)

✅ ステータスがCANCELなら削除
✅ そうでなければ更新
✅ 該当なしならINSERT


MERGE文のメリット

項目従来方法MERGE文
SQL実行回数UPDATEとINSERTの2回1回
パフォーマンスやや低い高い
ロジックの明確さ分岐が必要条件分が整理されやすい
メンテナンス性低め高い

注意点

注意点内容
ロックの影響大量データの場合、テーブルロックが発生しやすい
複雑な条件WHEN句が増えると可読性が下がる
DB依存性MySQLは8.0.19以降、PostgreSQLはINSERT ... ON CONFLICTで代替

他DBでの補足

DBMERGE対応備考
Oracle対応本記事基準
SQL Server対応ほぼ同構文
MySQL8.0.19~対応REPLACE/INSERT ON DUPLICATEも可
PostgreSQL15~対応それ以前はINSERT ON CONFLICT

まとめ

✅ MERGE文はINSERTとUPDATEを1回の処理にまとめる強力なSQL構文
✅ DELETEも組み合わせれば高度なロジックも実現可能
✅ Oracle・SQL Serverでは標準的に使用される
✅ MySQL/PostgreSQLではバージョン確認が必要

「同じキーのデータを更新 or 追加したい」場面で積極的に使いましょう!

Oracle DBでORA-12170「接続タイムアウト」が出る場合の調査方法

Oracleデータベースに接続しようとした際に、ORA-12170: TNS: 接続タイムアウトが発生しました というエラーが出ることがあります。
このエラーは、クライアントからデータベースへの接続要求がタイムアウトした場合に発生します。ネットワーク障害や設定不備、ファイアウォールの影響など原因は多岐にわたります。この記事では、調査のポイントをステップごとに解説します。


1. エラーメッセージの確認

まずは実際のエラーメッセージを確認しましょう。例えば以下のように出力されます。

ORA-12170: TNS: 接続タイムアウトが発生しました

sqlplus やアプリケーションログに記録されることが多いので、詳細をログからもチェックしておきます。


2. ネットワークレベルの確認

接続タイムアウトの多くはネットワーク経路に起因します。以下を確認しましょう。

  • ping でホストに疎通できるか

  • tnsping でOracleリスナーの応答があるか

  • ファイアウォールやセキュリティグループで 1521/TCP(デフォルトポート)がブロックされていないか

  • VPNやプロキシ経由の場合、経路に問題がないか


3. Oracle Listenerの確認

データベース側でリスナーが正常に動作しているか確認します。

lsnrctl status
  • 状態が READY になっているか

  • 正しいホスト名・ポートで待ち受けているか

  • リスナーログにエラーが出ていないか


4. SQL*Net / TNS設定の確認

クライアント側の tnsnames.ora や接続文字列の設定を見直します。

  • HOST名/IPアドレス が正しいか

  • SERVICE_NAME / SID が一致しているか

  • 環境変数 ORACLE_HOMETNS_ADMIN の設定が適切か

また、サーバ側の sqlnet.ora にて SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUTSQLNET.OUTBOUND_CONNECT_TIMEOUT が過剰に短く設定されていないかも確認します。


5. ファイアウォール / OS設定の確認

サーバOS側の設定も見直す必要があります。

  • OSファイアウォール(iptables / firewalld / Windows Defender Firewall)がポート1521を許可しているか

  • クラウド環境の場合、セキュリティグループやネットワークACL が接続をブロックしていないか

  • 複数NICやロードバランサーを経由している場合に経路の設定が正しいか


6. タイムアウト値の調整

原因が不明な場合、タイムアウト値の調整も検討できます。

  • クライアント側: sqlnet.oraSQLNET.OUTBOUND_CONNECT_TIMEOUT

  • サーバ側: sqlnet.oraSQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT

  • Listener側: listener.oraINBOUND_CONNECT_TIMEOUT_LISTENER

ただし、根本原因がネットワークや設定不備である場合は、単なる延命策になってしまう点に注意が必要です。


まとめ

ORA-12170 が発生した場合の調査手順は以下の流れで進めると効率的です。

  1. ネットワーク疎通確認(ping / tnsping)

  2. リスナー稼働状況確認(lsnrctl status)

  3. 接続設定(tnsnames.ora / 接続文字列)の確認

  4. サーバ側ファイアウォールやクラウドセキュリティ設定の確認

  5. タイムアウト設定の調整

多くの場合、ネットワーク経路やファイアウォールが原因となるケースが多いため、まずは通信経路の確認から着手するのがポイントです。

Oracle「ORA-06502: PL/SQL 数値または値エラー」エラーが出た時の解決方法

Oracle データベースを利用していると、**「ORA-06502: PL/SQL: 数値または値エラー」**というエラーに遭遇することがあります。これは比較的よく見られるエラーの一つで、主に「データ型の不一致」や「文字列長の超過」が原因です。この記事では、このエラーの代表的な原因と解決方法を解説します。


ORA-06502 エラーの意味

エラーメッセージ全文は以下のようになります。

 
ORA-06502: PL/SQL: 数値または値エラー

このエラーは、PL/SQL 実行時に「値が期待されるデータ型に収まらない」場合に発生します。例えば以下のケースです。

  • 数値型の変数に、文字列を代入しようとした場合

  • VARCHAR2 の長さ制限を超える文字列を代入した場合

  • 型変換関数(TO_NUMBER, TO_DATE など)が失敗した場合


よくある原因と解決方法

1. 文字列長の超過

原因: 変数 VARCHAR2(5) に 6文字を代入している。

解決方法: 変数の長さを見直す、あるいは SUBSTR を利用して長さを調整する。


2. 数値変換エラー

原因: 数値に変換できない文字列を渡している。

解決方法: 入力値が数値かどうかを事前にチェックする。正規表現を利用するのも有効です。

 
IF REGEXP_LIKE('123', '^[0-9]+$') THEN v_num := TO_NUMBER('123'); END IF;

3. 不正な日付変換

原因: 存在しない日付を変換しようとした。
解決方法: 入力フォーマットをチェックし、妥当な値のみ渡す。


4. 数値桁数のオーバーフロー

原因: 定義した精度・スケールを超える値を代入している。

解決方法: NUMBER の定義を見直す、または値を丸める。


トラブルシューティングのポイント

  • エラー発生時の 変数定義 を確認する

  • DBMS_OUTPUT.PUT_LINE代入しようとしている値 を出力する

  • データベースの カラム定義と変数定義の不一致 を確認する

  • 外部入力(CSV など)を扱う場合は 入力データの妥当性チェック を行う


まとめ

「ORA-06502」エラーは、ほとんどの場合 データ型の不一致値の範囲超過 が原因です。
再発防止のためには以下が重要です。

  • 変数やカラムの定義を余裕を持たせて設計する

  • 入力値チェックを徹底する

  • デバッグ時に DBMS_OUTPUT を活用して値を追跡する

これらを意識することで、エラーを効率的に解消できるはずです。