Oracle SQLを学んでいると、「DECODE関数」と「CASE式」の使い分けで迷う方は多いのではないでしょうか。
どちらも条件分岐を行うために利用できますが、機能や表現力には明確な違いがあります。
本記事では、DECODEとCASEの特徴、違い、実務での使い分けポイントをわかりやすく解説します。
1. DECODE関数とは?
DECODE
は Oracle独自の関数 で、簡易的な条件分岐を行うために利用されます。
基本構文は次の通りです。
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指定した式の値と「検索値」が一致すれば、その「置換値」を返す
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一致しなければ最後のデフォルト値を返す(省略可能)
例:部署IDに応じて部署名を返す
2. CASE式とは?
CASE
は SQL標準 でサポートされる条件分岐の構文です。
Oracleだけでなく、他のデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)でも使えます。
構文(シンプルCASE)
構文(検索CASE)
例:部署IDに応じて部署名を返す
3. DECODEとCASEの比較
項目 | DECODE | CASE |
---|---|---|
標準SQL | Oracle独自機能 | SQL標準でサポート |
構文 | 関数形式 | 式形式 |
条件 | 「等しい場合」のみ判定可能 | =, >, |
可読性 | ネストが増えると読みにくい | 複雑な条件もわかりやすく記述可能 |
移植性 | Oracleに依存 | 他DBでも利用可能 |
推奨度 | 古いコードに多い | 現在はこちらが主流 |
4. 実務での使い分けポイント
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既存システムのSQLでDECODEが多用されている → 互換性を保つためそのまま使用するケースあり
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新規開発や複雑な条件分岐 → 可読性・移植性を考えて CASE式を推奨
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DB移行を見据える場合 → CASE式を選択しておくと移植がスムーズ
まとめ
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DECODE関数:Oracle独自。簡単な条件分岐向け。古いSQLでよく見かける。
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CASE式:SQL標準。複雑な条件も書けて、移植性・可読性に優れる。
👉 今後の開発では CASE式を優先的に利用 するのがおすすめです。