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Oracle「ORA-00904: 無効な識別子です」エラーの原因と修正ポイント

SQLを実行した際に、次のようなエラーが表示されたことはありませんか?

ORA-00904: "XXXXX": 無効な識別子です

このエラーは、SQL内で指定したカラム名・テーブル名などの識別子(Identifier)が正しくない場合に発生します。特に、カラム名の誤字や存在しない列を参照すると頻発します。

この記事では、ORA-00904エラーの原因と修正ポイントをわかりやすく解説します。


ORA-00904エラーが発生する例

次のSQLを例として見てみましょう。

この場合、テーブルusersuser_nam というカラムが存在しないため、以下のエラーが出力されます。

ORA-00904: "USER_NAM": 無効な識別子です

ORA-00904が発生する主な原因と修正方法

✅ 1. カラム名の誤字・存在しない列を使用している

【誤った例】

【修正例】

👉 誤字・スペル間違いを最優先でチェックしましょう。


✅ 2. ダブルクォーテーションによる大文字・小文字の不一致

Oracleでは、識別子は通常大文字として認識されます。しかし、ダブルクォーテーションを使用すると厳密に区別されます

【誤った例】

【修正例】

👉 ダブルクォーテーションは必要な場合のみ使用し、基本は使わない方が安全です。


✅ 3. 予約語をカラム名として使用している

以下のようにDATEORDERなどOracleの予約語を識別子として使うとエラーになります。

【誤った例】

【修正例(識別子を避ける or ダブルクォートで囲む)】


✅ 4. テーブルやエイリアスの指定ミス

JOIN時などにエイリアスを間違えて参照するケースです。

【誤った例】

【修正例】


✅ 5. 関数や式の誤った使い方

【誤った例】

【修正例】

👉 構文ミスでエラーが識別子関連として認識されることもあります。


実務でよくあるケース3選

ケース原因対処
JOIN時の別テーブル誤参照エイリアス忘れ別名を正しく付ける
INSERT文に存在しないカラム名を記載定義と不一致DESCで定義確認
SELECT句とGROUP BY句の不一致集約対象外カラムGROUP BYに含める

発生を防ぐためのチェックポイント

DESC テーブル名;で定義を確認
✅ カラム名はコピペでミス防止
✅ ダブルクォート識別子は極力使わない
✅ 予約語を避ける(Oracle公式リスト参照)
✅ JOIN時はエイリアスを必ず統一


まとめ

ポイント内容
エラー原因カラム名などの識別子の誤り
よくあるミス誤字・予約語・エイリアスミス
対処法テーブル定義確認+構文見直し
予防策DESC確認+ダブルクォートに注意

ORA-00904は「識別子(カラム・テーブル名)のミスがある」というサインです。慌てず定義を見直しながら原因を特定しましょう。

Oracle「ORA-01652: 一時セグメントを拡張できません」対処手順

Oracleデータベースで大規模なソート処理や集計を行うと、
次のようなエラーが発生することがあります。

ORA-01652: 一時セグメントを拡張できません

このエラーは、一時表領域(TEMP)の空き容量不足によって
SQL実行が中断されたことを意味します。
ここでは、その原因と具体的な対処手順をわかりやすく解説します。


⚠️ エラーの意味

「ORA-01652」は、OracleがSQL実行中に必要な一時領域を確保できなかったことを示すエラーです。
特に次のような処理で発生しやすくなります。

  • 大量データを扱う ORDER BY / GROUP BY / DISTINCT / JOIN

  • インデックス作成集計処理

  • TEMP表領域が固定サイズで、自動拡張が無効


🔍 主な原因

原因詳細
TEMP表領域の容量不足TEMPファイルのサイズが小さい
自動拡張が無効TEMPFILE の AUTOEXTEND が OFF
不要なセッションがTEMPを占有他ユーザーの大規模SQLがTEMPを使用中
SQLの非効率な実行計画インデックス未使用・結合順序の問題

🧭 対処手順

① TEMP表領域の使用状況を確認

現在の使用率を確認します。

または以下のSQLでも確認可能です。


② TEMPファイルを追加または拡張

TEMP領域が不足している場合、ファイルを追加します。

または新しいTEMPファイルを追加します。


③ 不要なセッションを確認・終了

一時領域を使い続けているセッションを確認します。

不要なセッションが確認できた場合は、管理者権限で終了します。


④ SQLをチューニングする

  • インデックスを利用する

  • 不要なDISTINCTやORDER BYを削除

  • 結合順序を見直す

  • 集計処理を段階的に分割

一時領域を減らすため、SQLの実行計画を確認します。


⑤ TEMP表領域を再作成(最終手段)

TEMPファイル破損や肥大化が疑われる場合は、
再作成を検討します。


🌟 まとめ

対処法内容
TEMP使用量確認V$TEMP_SPACE_HEADERやV$SORT_USAGEで確認
TEMP拡張ADD TEMPFILE または RESIZE
セッション整理不要なセッションをKILL
SQLチューニング実行計画の見直し
TEMP再作成最終手段として実施

📘 補足:再発防止策

  • 定期的に V$TEMP_SPACE_HEADER を監視

  • TEMP表領域は AUTOEXTEND ON を推奨

  • 大規模SQL実行前に EXPLAIN PLAN を確認

  • バッチ処理では 分割実行 を検討

Oracle「ORA-00054: リソースがビジー状態です」発生時の回避策

Oracleで以下のようなエラーが出ることがあります:

ORA-00054: リソースがビジー状態です。NOWAITを指定したためまたはタイムアウトが発生しました。

これは「対象のオブジェクトが別のセッションでロックされており、現在アクセスできない」ことを意味します。
主に DDL(CREATE、ALTER、DROPなど)を実行した際 に発生します。


🧠 主な発生原因

原因説明
セッションロック他のセッションがテーブルやインデックスを更新中でロック中
長時間トランザクションCOMMITされていないセッションが存在
DDLとDMLの競合DML実行中にALTER TABLEなどDDLを実行しようとした
自動統計・バックアップ中バックグラウンド処理が対象オブジェクトをロックしている

🧩 ロック状況の確認方法

1️⃣ ロックされているオブジェクトを特定


2️⃣ SQLを確認

🧰 回避策①:ロック解除(セッション切断)

他セッションが原因の場合は、該当セッションを強制終了します。


sidserial# は上記クエリで確認可能。

管理者権限(SYSDBA)が必要です。


🧰 回避策②:NOWAIT句またはWAIT句を利用

NOWAIT句(即時判定)


ロック中なら即エラーを返します。スクリプト制御時などに便利です。

WAIT句(待機)


最大10秒まで待機して、解除されれば処理を続行します。

🧰 回避策③:時間をおいて再実行

統計収集や自動ジョブが走っている時間帯(例:夜間バッチ中)に発生しやすいため、
時間をおいて再実行 するのも有効です。
特に自動メンテナンスが有効な環境では、深夜帯に競合することが多いです。


🧰 回避策④:DDLを業務外時間に実行

DDLはオブジェクトを完全ロックするため、
業務時間内にALTERやDROPを実行すると高確率で発生します。

定期メンテナンス時間帯 にスケジュール化しましょう。


⚠️ 注意点

  • KILL SESSION は強制終了のため、他処理への影響リスク がある

  • バッチ処理や自動統計のタイミングと重なると再発する

  • ロック発生元を特定し、原因セッションの対処を優先 することが重要


✅ まとめ(表)

対策内容注意点
セッション確認v$locked_object でロック特定管理者権限が必要
強制切断ALTER SYSTEM KILL SESSION他処理への影響注意
WAIT句利用ロック解除を待つタイムアウト指定が重要
実行タイミング調整バッチや統計処理の時間帯を避ける定期メンテナンス枠を活用

Oracle「ORA-06502: PL/SQL 数値または値エラー」エラーが出た時の解決方法

Oracle データベースを利用していると、**「ORA-06502: PL/SQL: 数値または値エラー」**というエラーに遭遇することがあります。これは比較的よく見られるエラーの一つで、主に「データ型の不一致」や「文字列長の超過」が原因です。この記事では、このエラーの代表的な原因と解決方法を解説します。


ORA-06502 エラーの意味

エラーメッセージ全文は以下のようになります。

 
ORA-06502: PL/SQL: 数値または値エラー

このエラーは、PL/SQL 実行時に「値が期待されるデータ型に収まらない」場合に発生します。例えば以下のケースです。

  • 数値型の変数に、文字列を代入しようとした場合

  • VARCHAR2 の長さ制限を超える文字列を代入した場合

  • 型変換関数(TO_NUMBER, TO_DATE など)が失敗した場合


よくある原因と解決方法

1. 文字列長の超過

原因: 変数 VARCHAR2(5) に 6文字を代入している。

解決方法: 変数の長さを見直す、あるいは SUBSTR を利用して長さを調整する。


2. 数値変換エラー

原因: 数値に変換できない文字列を渡している。

解決方法: 入力値が数値かどうかを事前にチェックする。正規表現を利用するのも有効です。

 
IF REGEXP_LIKE('123', '^[0-9]+$') THEN v_num := TO_NUMBER('123'); END IF;

3. 不正な日付変換

原因: 存在しない日付を変換しようとした。
解決方法: 入力フォーマットをチェックし、妥当な値のみ渡す。


4. 数値桁数のオーバーフロー

原因: 定義した精度・スケールを超える値を代入している。

解決方法: NUMBER の定義を見直す、または値を丸める。


トラブルシューティングのポイント

  • エラー発生時の 変数定義 を確認する

  • DBMS_OUTPUT.PUT_LINE代入しようとしている値 を出力する

  • データベースの カラム定義と変数定義の不一致 を確認する

  • 外部入力(CSV など)を扱う場合は 入力データの妥当性チェック を行う


まとめ

「ORA-06502」エラーは、ほとんどの場合 データ型の不一致値の範囲超過 が原因です。
再発防止のためには以下が重要です。

  • 変数やカラムの定義を余裕を持たせて設計する

  • 入力値チェックを徹底する

  • デバッグ時に DBMS_OUTPUT を活用して値を追跡する

これらを意識することで、エラーを効率的に解消できるはずです。

Oracle:ユーザー作成時に「ORA-65096」エラーが出た場合の原因と対応方法

Oracleのインストール後にSQL*Plusなどでユーザー作成しようとした際、「ORA-65096」エラーが発生した場合の原因と対応方法についてメモしておきます。

「ORA-65096:共通ユーザーまたはロール名が無効です」の原因

  • ルートコンテナにローカルユーザーを作成しようとした場合に発生するエラーとなります。
    ルートコンテナには共有ユーザー(common user) と呼ばれる特殊なユーザーしか作成することはできません。
    Oracle 11gまでと違いOracle 12c以降からは一つのインスタンスには一つのコンテナ・データベース(CDB)と、プラガブル・データベース(PDB)と呼ばれる子DBが存在しています。sysなどのユーザーでログイン直後はコンテナ・データベース(CDB)に接続されている状態となっているため、そのままローカルユーザーを作成しようとしてもエラーが発生してしまうということになります。

「ORA-65096:共通ユーザーまたはロール名が無効です」の対処方法

原因が分かってしまえば対応はシンプルです。接続先がコンテナ・データベース(CDB)であるのがまずいのであればプラガブル・データベース(PDB)に変更してしまえばいいだけです。

  1. まずは「show con_name;」で現在接続されているデータベースを確認します。
  2. 次に「select name, open_mode from v$pdbs;」でPDBの名前と現在のOPEN_MODEを確認します。
  3. PDBの名前が「ORCLPDB」というのがわかったのでデータベースの接続先を「ORCLPDB」へ変更します。
  4. もう一度「show con_name;」を実行して接続先が変更されていることを確認します。
  5. 接続先がPDBへ変更されたのでもう一度ユーザー作成を実行すると正常に実行されます。

 

🔍補足:ORA-65096エラーの仕組みと注意点

ORA-65096: invalid common user or role name は、マルチテナント構成の Oracle Database(12c以降) において、
ルートコンテナ(CDB$ROOT)上でローカルユーザーを作成しようとした場合に発生するエラーです。
以下のポイントを押さえておくと、再発を防ぎやすくなります。

観点 内容
エラーの本質 共通ユーザーとローカルユーザーの区別を誤ったことによる構文エラー
共通ユーザー名の規則 C## または c## のプレフィックスが必須(COMMON_USER_PREFIXパラメータで変更可)
発生条件 CDB$ROOT に接続したままユーザーを作成/命名規則を満たさない場合
解決策 ALTER SESSION SET CONTAINER = <PDB名> でPDBに切り替えてから CREATE USER を実行する
参考 SHOW CON_NAME; で現在の接続先(コンテナ)を確認可能

✅ 具体例:安全なユーザー作成手順

もしルートコンテナ側で共通ユーザーを作成したい場合は、以下のようにします。


💡補足メモ

  • SHOW PDBS; で現在のPDB一覧を確認可能。OPEN_MODEREAD WRITE でなければユーザー作成はできません。

  • バージョン19c以降では、CDB構成がデフォルトのため、PDB接続の意識が必須 です。

  • TNS接続文字列(SERVICE_NAME)が CDB を指していると、意図せずルート側に接続してしまうことがあります。