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Oracle「ORA-28001: パスワードの有効期限が切れています」対応手順

Oracle Database を利用していると、ログイン時に
「ORA-28001: パスワードの有効期限が切れています」
というエラーに遭遇することがあります。

これは、データベースのセキュリティ機能として「パスワード有効期限」が設定されており、期限を過ぎたユーザがログインできなくなるために発生します。

この場合のエラーの原因と具体的な対応手順を解説します。


エラーの原因

Oracle データベースでは、ユーザごとに割り当てられた プロファイル(Profile) により、パスワード有効期限が管理されています。

典型的な原因は以下の通りです。

  • デフォルトの DEFAULT プロファイルで PASSWORD_LIFE_TIME が 180日 などに設定されている

  • 長期間パスワードを変更しておらず、期限切れとなった

  • 運用上、期限管理を無効化していなかった


対応手順

1. SQL*Plus などからログインを試みる

期限切れの場合、通常のユーザではログインできません。
DBA 権限を持つユーザ(例: sys as sysdba)でログインする必要があります。


2. パスワードをリセットする

対象ユーザのパスワードを変更します。


例:

これでユーザは再びログインできるようになります。


3. パスワード有効期限を確認する

どのプロファイルが割り当てられているかを確認します。

次に、そのプロファイルの設定を確認します。



4. パスワード期限を延長・無効化する(必要に応じて)

運用上パスワード期限を無期限にしたい場合は、以下のように設定します。


特定のユーザ専用プロファイルを作成し、そのみに適用する運用もおすすめです。

注意点

  • セキュリティポリシー上、期限を無期限にするのは推奨されない場合があります。

  • 運用規定に従い、定期的に強度の高いパスワードへ更新しましょう。

  • 本番環境では、DBA以外のアカウントで誤って変更しないよう注意が必要です。


まとめ

「ORA-28001: パスワードの有効期限が切れています」は、パスワードの期限切れによるエラーです。

  • DBA権限でログイン

  • パスワード変更

  • プロファイル確認と調整

この流れで対応すれば、迅速に復旧できます。運用に合わせてパスワード有効期限の設定を見直すことも重要です。

Oracle「ORA-01017:ユーザー名/パスワードが無効です。ログオンは拒否されました。ユーザー名を入力してください。」が出た場合の原因と対応方法

Oracle Databaseを利用していると、多くの人が一度は遭遇するエラーが 「ORA-01017: invalid username/password; logon denied」 です。
SQL*PlusやSQL Developerでのログイン、あるいはアプリケーションの起動時に表示され、作業がストップしてしまう厄介なエラーです。

本記事では、このエラーの 原因と解決方法を体系的に整理 し、実際の現場で役立つ対応手順を紹介します。


ORA-01017エラーとは?

このエラーは、Oracleが「入力されたユーザー名またはパスワードが正しくないため、ログオンを拒否した」と判断した際に表示されます。

主に以下のようなシーンで発生します。

  • SQL*Plus で手動ログインするとき

  • SQL Developer などのGUIツールから接続するとき

  • Java/JDBCやPHP などのアプリケーションがDB接続を試みるとき

  • バッチ処理シェルスクリプト による自動接続

単純にパスワードを打ち間違えただけでも発生しますが、実際の現場ではもっと複雑な原因が潜んでいることもあります。


ORA-01017が発生する主な原因

1. ユーザー名やパスワードの誤り

  • スペルミス(大文字・小文字の違いも区別される)

  • コピペ時の不可視文字(空白や改行が含まれている)

  • ユーザー作成時に "USERNAME" のように ダブルクォーテーション付き で作成しており、大文字小文字が厳密に一致していない

2. アカウントがロックされている/パスワード期限切れ

Oracleではセキュリティのため、一定回数の失敗でアカウントがロックされたり、パスワードに有効期限が設定されている場合があります。

3. 認証方式の違い

  • Oracle 12c以降では、古い認証方式(DESなど)が無効化されている

  • 古いクライアント/JDBCドライバで接続すると認証エラーになる

4. 接続先の設定ミス

  • tnsnames.ora の設定が間違っている

  • service_nameSID が異なる環境を参照している

  • テスト環境と本番環境を取り違えている

5. 外部認証の影響

  • OS認証(/ as sysdba)を利用しているが権限が不足している

  • パスワードファイル(orapwd)が正しく作成されていない


ORA-01017エラーの解決方法

1. ユーザー名・パスワードを正確に確認する

まずは基本中の基本。

  • コピー&ペーストではなく手入力 で試す

  • 大文字小文字を区別することを意識する

  • ユーザー作成時に "USERNAME" のように指定していないか確認

2. アカウントの状態を確認する

管理者ユーザーで以下を実行します。

  • LOCKEDALTER USER ユーザー名 ACCOUNT UNLOCK;

  • EXPIREDALTER USER ユーザー名 IDENTIFIED BY 新パスワード;

3. 認証方式を見直す

ユーザーごとのパスワードバージョンを確認:

  • 10G のみ → 古い方式。新しいクライアントで接続不可の可能性あり

  • 11G12C が含まれているか確認

  • JDBCドライバやOCIクライアントを 最新化 する

4. 接続文字列を確認する

誤接続が多いポイントです。

  • hostnameservice_name が正しいか

  • ローカルの tnsnames.ora が古い情報を持っていないか

5. 外部認証を確認する

  • OSユーザーに必要な権限があるか

  • SYSDBA接続が可能な状態か

  • パスワードファイルが壊れていれば orapwd コマンドで再作成


現場でのチェックリスト

  1. 入力の大文字・小文字を再確認する

  2. コピペではなく手入力で試す

  3. DBA_USERS を確認してアカウント状態を把握

  4. クライアントやJDBCドライバを最新化

  5. 接続先(サービス名/ホスト名)が正しいか見直す

  6. OS認証やパスワードファイルに問題がないか確認


まとめ

「ORA-01017」は、単純に「パスワード間違い」と片付けがちですが、実際には アカウントロック、認証方式、接続先設定の誤り など複数の要因が絡むことがあります。

対処の基本ステップは以下の通りです。

  • 入力の確認 → アカウント状態の確認 → 認証方式・接続設定の見直し

これを押さえておけば、大半のケースで迅速に問題を解決できます。

Oracle:管理者ユーザー「SYS」と「SYSTEM」のデフォルトパスワード

Oracle Databaseをインストールすると自動的に作成される管理者ユーザー「SYS」と「SYSTEM」のデフォルトパスワードについてメモしておきます。

SYSユーザーのデフォルトパスワード:change_on_install

  • sysユーザーでのログイン例です。

SYSTEMユーザーのデフォルトパスワード:manager

  • systemユーザーのログイン例です。

Oracle:管理者ユーザー「SYS」と「SYSTEM」のデフォルトパスワード

ユーザー初期パスワード例備考
SYSchange_on_installデータディクショナリを管理する最上位アカウント
SYSTEMmanager一般的な管理作業に使用可能な補助アカウント

セキュリティ上の注意点

変更必須

デフォルトのままでは外部からの攻撃に悪用されやすいため、必ずパスワード変更を行うこと。

最近の Oracle バージョンでの違い

  • 11g 以降:インストール時にユーザーが必ずパスワードを指定。

  • 12c 以降:パスワードポリシーが強化され、英数字・記号混在の複雑なものを要求。

  • 19c/21c:初期アカウントはロック状態になっている場合も多い。